2018 Fiscal Year Research-status Report
Development of Evaluation Method for Holding Power of Suction Anchor for Deepwater Mooring
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17K14884
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤 公博 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 助教 (80790716)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 把駐力評価 / サクションアンカー / 数値シミュレーション / 個別要素法 |
Outline of Annual Research Achievements |
砂質地盤の多い日本周辺海域において,一部の報告書では海底下5m付近までの含水比は25%以上であることが示されている.そこで,乾燥状態(含水比0%)および湿潤状態(含水比26%)の2種類の砂槽を用いた把駐力試験を実施した.また,円筒杭の径や深さ等の形状が異なるサクションアンカーを模擬した複数の試験体を用いて実験を行い,アンカー周辺の砂質状態,ならびに,アンカー寸法等のパラメータが把駐力特性に及ぼす影響について実験的検討を行った.その結果,砂質状態によって把駐力に有意な差が生じることを確認した. また,汎用非線形有限要素解析ソフトLS-DYNAに実装されているALE(Arbitrary Lagrangian Eulerian)機能およびDEM(Distinct Element Method)機能を用いたアンカー土壌間の連成解析を実施した.特にDEMにおいては,土壌の変形,アンカー挙動の定性的な把握が可能となり,特定の条件下では最大把駐力について良好な一致を得た.加えて,これらの数値シミュレーションにおいては土壌の粘着力を考慮すべきであるが,把駐力特性に及ぼす粘着力の影響が顕著であることを確認した. さらに,一般的なランキン土圧理論に基づき,最大把駐力の簡易推定手法について検討した.上述の模型試験結果ならびに数値シミュレーション結果との比較検証により,最大把駐力に関して比較的良好な一致を確認した.本推定手法を適用することで,実機の基礎設計時に把駐力の概略値を容易に計算できるものと考えられる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
乾燥土および湿潤土を用いた模型試験を実施するとともに,汎用ソフトを用いた数値シミュレーションならびに簡易推定式の検討が進められたため.
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Strategy for Future Research Activity |
数値シミュレーション手法の改良および高精度化を図る.また,簡易推定式を援用しながら,把駐力特性に優れたアンカー形状の検討を行う.
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Causes of Carryover |
所属機関の異動に伴い,当初予定していた消耗品の購入等の必要性がなくなったため.この分は,成果発表旅費等に充当予定としている.
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