2017 Fiscal Year Research-status Report
水素添加およびEGR適用に伴う燃焼改善による舶用ガス機関の性能改善に関する研究
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17K14889
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Research Institution | National Institute of Maritime, Port and Aviation Technology |
Principal Investigator |
市川 泰久 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, その他部局等, 研究員 (20586680)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ガスエンジン / 水素 / 排ガス再循環 / 副室着火 |
Outline of Annual Research Achievements |
国際海事機関(IMO)による排ガス規制への対応手段の一つとして、天然ガスを燃料とする希薄予混合燃焼式舶用ガス機関が注目されている。希薄予混合式ガス機関は、異常燃焼に課題を有する。特に操船時や荒天時に負荷変動にさらされる舶用機関では、非定常時の異常燃焼抑制・制御技術が重要となる。本研究課題では燃焼を活性化する水素添加技術と燃焼を緩慢化する排ガス再循環(EGR:Exhaust Gas Recirculation)技術を組み合わせ、異常燃焼抑制、環境負荷物質(CH4及びNOx)排出低減、非定常性能改善を両立させる、水素添加率とEGR率の同時制御技術を確立することを目的とする。特に、主室・副室に対し個別に水素を添加することで主室燃焼、副室燃焼を制御する。実験は発電出力400kWの実機ガス機関を用いる。 H29年度は、水素添加効果とEGR効果の双方に対して個別に着目した定常状態の実験を実施した。主室水素添加については、ガス機関を希薄条件で運転し不安定燃焼状態にあったとしても、水素を添加することによって大幅に燃焼安定性を改善できることが分かった。さらにNOx排出増加を抑制しつつ、未燃率を低減できることも分かった。一方、EGR実験では、給気マニホールド圧力が同一であった場合に、EGR率の増大とともに主室燃焼期間が拡大し、燃焼の緩慢化することを確認した。さらに副室内燃焼に関しては、主室水素添加では大きな変化はな見られず、一方でEGRでは燃焼期間が拡大した。来年度以降実施する非定常性能を改善するための基礎試験データを取得できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
H29年度は、主室・副室に水素を供給するシステムおよび、既有のEGR装置の改良を実施した。特に主室への水素供給システムは計画を前倒しで、ポートインジェクションシステムを構築した。H29年度はこれらの設備を用いて、水素添加効果とEGR効果の双方に対して個別に着目した定常状態実験を実施した。
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Strategy for Future Research Activity |
H30年度は、平成29年度に実施した定常性能評価結果をもとに、負荷変動を加えた際の水素添加率とEGR率の同時制御方法を立案する。次に水素添加率、EGR率を制御するために平成29年度に構築した実験・計測システムに対して、副室・主室水素添加率およびEGR率の同時制御システムを追加する。構築した制御システムを用いることによって、ガス機関に負荷変動を与えた場合の非定常時の機関状態を計測する。なお、実験では負荷制御試験を行い、負荷投入後のサイクル毎の燃焼状態、機関状態、排ガス組成(最大5Hzで分析可能な高速フーリエ変換型赤外分光多成分ガス分析器(FTIR)を用いる)を高速計測することで、非定常時のエンジン性能の変化を詳細に明らかにする。
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Causes of Carryover |
打ち合わせのための旅費を次年度実施することにしたため。
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