2018 Fiscal Year Research-status Report
希土類の真空束縛エネルギーに基づく輝尽蛍光ガラス材料の設計・開発
Project/Area Number |
17K14911
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
岡田 豪 金沢工業大学, バイオ・化学部, 講師 (90757840)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | OSL / ガラス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では新規輝尽蛍光(OSL)材料として希土類添加ガラス材料の開発を目的としている。ガラスを母体材料とすることにより、透明かつ空間的に均一なOSL材料が容易に得られる利点がある。母体材料の透明性ならびに添加希土類イオンの発光中心および電荷捕獲中心としての働きを明らかにし、OSLガラス材料の応用および現象理解に繋げる事を目的とする。
本研究の1年目では、数多くのガラス材料を検討し、そのOSL特性を含む蛍光体としての放射線応答特性の評価を行った。なかでも最も興味深いものは、CeイオンおよびSmイオンを共添加した材料である。Ceイオンは発光中心として働き、Smを共添加する事により青色刺激で近紫外領域に強いOSLを示した。一方でSmを共添加しなかったものはOSLを示さなかったことから、Smが捕獲中心としての働きをもつ事が考察された。
初年度に材料開発を中心に行った事に対し、当該年度においては、イメージングプレート(IP)としての働きの検証を行うべく、読取り装置の構築を行い、実際に空間分解能の試験を行った。構築した読取り装置は、刺激光源として青(460 nm)、緑(530 nm)および赤(630 nm)のレーザーダイオードを用い、対物レンズを用いてサブマイクロメートルオーダーに集光させてサンプルをスキャンした。スキャン機構には高精度XYステージを用い、数マイクロメートルの位置再現性を実現した。同装置を用いて評価した結果、X線イメージングとしての空間分解能は、当初の想定通り不透明なIPよりも透明なものの方が高く、ガラス材料を用いる利点が実験的に明らかにされた。計画当初に予定していなかった所属の移動などがあったが、概ね順調に目標を達成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、OSLイメージの読取り装置の構築を完了し、空間分解能の評価を行った。空間分解能は、フォトン統計の制限を受けない程度の出力が得られる場合は材料組成や感度に依存せず、母体材料が透明さが最も重要なファクターである事がわかった。
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Strategy for Future Research Activity |
予定通り、OSL材料の基礎物理現象の理解のため、真空紫外励起スペクトルや光電導特性等を評価し、研究統括を行う。
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Causes of Carryover |
当該差額分予算を消耗品の補充の為に充てていたが、当該年度中の補充は不要と判断し、次年度に繰り越す事が最善であると判断した。
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[Presentation] Samarium-based Radio-photoluminescence Materials and Applications for Microbeam Radiation Therapy2018
Author(s)
G. Okada, J. Ueda, S. Tanabe, F. Chicilo, G. Belev, C. Koughia, T. Wysokinski, D. Chapman, T. Yanagida, A. Edgar, S. Kasap
Organizer
ICOOPMA 2018
Int'l Joint Research / Invited
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