2018 Fiscal Year Research-status Report
超音波液中プラズマ制御によるパーム酸油の低温流動性改善とNOx低減機構の解明
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17K14925
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Research Institution | Maizuru National College of Technology |
Principal Investigator |
野毛 宏文 舞鶴工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (80455146)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | パーム酸油 / 燃料改質 / NOx還元反応 / 液中プラズマ |
Outline of Annual Research Achievements |
H29年度は液中プラズマによるPAO混合燃料の低温流動性の改質において、液中プラズマ形成部における気相と液相の境界で化学反応は確実に進むが、予想以上に局所の反応温度が上昇し、副産物として多量のすす(C:85%, O:15%)が生成する一方で、低温でのパルミチン酸の析出を防止することは困難であった。 H30年度は、液中プラズマを行う際に冷却を行うため、水の層と油の層を作り、油の層に近い水の層で液中プラズマを発生させ、水中で生成した活性化学種を油の層で反応させる実験を行ったが、パルミチン酸の化学構造を変化させるような反応は起きなかった。 また、プラズマの温度を下げるという観点からプラズマジェットを作り、PAO混合燃料の表面および液中での反応も試みたが、プラズマジェットでは温度が全く上がらないため、燃料改質につながるような化学反応には至らなかった。さらに、電極材質、形状の変更を行い、温度調整に取り組んだが、結果は改善されなかった。 ちなみに、超音波の活用はさらに温度を上げる結果となり、逆効果であった。 H30年度は、PAO混合燃料によるNOx低減にも取り組んだ。これまでに、工業用バーナではPAO混合燃料を用いると、空気過剰率1.2~1.9の範囲では、燃焼炉出口の温度を大幅に低下させることなく、最大で30%程度のNOxが減少することを明らかにしてきたが、その原因は不明であった。そこで、流通反応装置により任意の燃焼条件を設定し、PAO混合燃料とNOの反応を調べた。その結果、熱分解雰囲気においては、軽油とPAO-軽油混合燃料のNO還元率は共に30%程度にとどまり、酸化雰囲気においては、軽油の最大NO還元率が60%、PAO混合燃料の最大NO還元率が75%となり、反応場に過濃な燃料と酸素が共存していることがNOx還元反応を促進させやすくなる結果となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
すべての結果が予想通りになっている訳ではないが、申請書に書いたことは概ね実施し、結果が確かめられているため。
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Strategy for Future Research Activity |
プラズマを用いた燃料改質において、温度制御を中心にさらなる文献調査を行い、参考例が見当たれば、実行手法を検討する。
PAO混合燃料によるNOx還元の燃焼条件が明らかになってきたが、NOx還元にはどのような反応が関与しているのかは不明であるため、NOx還元反応場で生成される化学種を分析し、NOx還元に関与している化学種の特定を行う。
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Causes of Carryover |
当初、科研費にて消耗品の購入を予定していたが、専攻科生の研究指導を行うこととなり、運営費交付金の追加補填があったため、こちらから先に支出する必要があったので一部の科研費の使用を次年度以降に持ち越すことになった。
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