2018 Fiscal Year Annual Research Report
The role of lateral habenula in the dopamine change involved in stress
Project/Area Number |
17K14935
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
中野 高志 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 特任准教授 (70579953)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 神経科学 / 外側手綱核 / ドーパミン / ストレス / シミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
外側手綱核はストレスや意欲に関連するドーパミン変化に深く関係していることが予想される。本研究では外側手綱核などの神経核からなる神経ネットワークがどのようにドーパミン放出を制御しているのかを明らかにし、ストレスやストレス対処行動の神経機構を理解するために、外側手綱核をチャネルロドプシンと光ファイバを用いた光刺激し、電気化学的手法を用いてドーパミンの放出先である側坐核でのドーパミン濃度を測定した。また外側手綱核からドーパミン細胞を有する腹側被蓋野までの経路であると考えられる反屈束および吻側内側被蓋核も同様に光刺激を行い、そのドーパミン応答を計測した。またこの結果をもとに計算機シミュレーションを用いてそのネットワーク機構を調べた。シミュレーションには神経回路シミュレーションに特化したNEST simulatorを用いて単純なニューロンモデルで外側手綱核から腹側被蓋野に至る神経ネットワークをモデル化した。 その結果、刺激周波数によってドーパミン変化が変化した。外側手綱核の低頻度刺激では側坐核ドーパミン濃度は増加したが、高頻度刺激ではドーパミン濃度は減少した。外側手綱核から腹側被蓋野などへの伝達経路である反屈束や外側手綱核から興奮性投射を受ける吻側内側被蓋核でも同様に光刺激を行ったところ、低頻度刺激ではドーパミン濃度の増加が見られ、高頻度刺激ではドーパミン濃度の低下が見られた。次に、外側手綱核によるドーパミン制御の神経ネットワーク機構を調べるために計算機シミュレーションを行った。その結果、外側手綱核への強い入力ではドーパミン細胞の活動が高まったが、外側手綱核への弱い入力ではドーパミン細胞の活動が弱まり、実験と同じ結果をシミュレーションでも得ることができた。
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