2020 Fiscal Year Annual Research Report
Analyses of neural change of female mice
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17K14948
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
幸長 弘子 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 研究員 (30729207)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | メスマウス / 神経 |
Outline of Annual Research Achievements |
女性のコンディションは、月経、妊娠、閉経などライフイベントによって大きく左右される。このような女性特有のライフイベントの仕組みを解決することは、より多くの女性が活躍できる社会づくりにつながる可能性がある。分娩は胎盤、胎児を含む子宮の内分泌系と母体の脳神経系との協調的なネットワークによって制御されている。このシステムの綻びにより、早産や晩産など分娩時期の異常、陣痛の遅延や過度の子宮収縮など深刻な問題が引き起こされる。妊娠中の哺乳動物のメスにおいては、胎盤の形成維持、胎児の育成、出産や授乳の準備のため、様々な内分泌学、組織学的な変化が進行するが、この中にはニューロンやグリア細胞の構造的変化を伴うものが知られている。 本研究で、2020年度は、母体の脳内でホルモンの分泌量やタイミングを制御する神経回路レベルの仕組みを調べるため、トランスシナプス標識を用いて、母体の脳内を観察した。妊娠・出産・授乳時の神経回路変化を調べると、入力細胞数の変化する領域が見つかり、これら一連のイベントに伴った神経回路の変化の一端を捉えることができた。また、これらのイベントに伴った神経活性パターンを、リアルタイムに活動とともに記録するためファイバーフォトメトリーを用いて観察した。GCaMP6を発現したメスマウスに光ファイバーを設置し、自由行動下での神経活性を記録した。出産中の神経活性や授乳中の神経活性を捉えることができている。
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