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2017 Fiscal Year Research-status Report

新規化膿レンサ球菌性扁桃炎モデルによる好中球細胞外トラップ分解産物の病原性解析

Research Project

Project/Area Number 17K14974
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

田中 基嗣  東京大学, 医学部附属病院, 登録研究員 (40755740)

Project Period (FY) 2017-04-01 – 2020-03-31
Keywords化膿レンサ球菌 / 好中球細胞外トラップ / DNase / Streptococcus pyogenes / Group A streptococcus / NETs
Outline of Annual Research Achievements

先行研究で用いた化膿レンサ球菌菌株について、DNaseを構成するSdaD2、endA、spdの3つの遺伝子領域及び細胞毒性を有するDNA代謝産物として報告されているdeoxyadenosine産生に関わる代謝酵素である5’-nucleotidaseを構成する遺伝子領域をそれぞれノックアウトした菌株を作製した。野生型菌株及び作製した欠損菌株をマウスへ経鼻感染させたところ、野生型菌株感染マウスは全数が死亡したのに対して、DNase欠損菌株を感染させたマウスでは生存率が顕著に上昇し、特にspd欠損菌株感染マウスでは全数が生存した(ログランク検定、p<0.001)。他方、5’-nucleotidaseの欠損の有無はマウスの生存率に影響を与えなかった。spd欠損菌株をマウスに経鼻感染させて18時間後の感染局所生菌数は、野生型菌株と比較して有意な減少がみられた(t検定、p=0.032)。これらは、化膿レンサ球菌に関する研究報告及び化膿レンサ球菌によって生じたNETs分解産物が生体へ不利に作用するという本研究の仮説に矛盾しない結果と考えられた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当初平成30年度に予定していた実験動物への感染実験を平成29年度に実施した結果、遺伝子欠損菌株と野生型菌株で感染マウスの生存率に有意差がみられ、特にspd欠損菌株を感染させたマウスで良好な結果を得た。このため、必要に応じて作製予定としていたDNase重複欠損菌株は作製せず、spd欠損菌株に注目して研究を進めることとした。平成29年度に予定していた質量分析法を用いたNETs分解産物の同定は、平成30年度計画へ移すこととした。

Strategy for Future Research Activity

研究期間及び研究資金に基づき実験系を見直した結果、今回の実験系において重要と考えられるDNase構成遺伝子であるSdaD2、endA、spdの各欠損菌株うち、in vivoで野生型菌株との差が最も顕著であったspd欠損菌株に注目して研究することとした。はじめに、spd recombinant proteinを精製し、NET-DNAと混合してNETs分解産物を得て、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)及びMALDI/TOF-MS質量分析により解析する。新たに出現したNETs分解産物画分をマススペクトルと照合して物質を特定し、さらに細胞毒性の有無について培養細胞を用いて検討する。次に、spdが細胞外分泌型DNaseであることの確認を行う。動物を用いた抗体作製又はペプチド抗体によって抗spd抗体を作製し、化膿レンサ球菌の培養上清中にspd蛋白が存在することを示す。さらに、spd complement菌株を作製し、野生型菌株、spd欠損菌株による動物実験結果の再現性を確認する。また、主に免疫組織化学染色に基づく病理学的検討により、鼻粘膜上皮細胞障害を評価する。即ち、鼻腔粘膜上皮表層を、上皮細胞特異的染色が可能であるTUNEL、Wheat Germ Agglutinin、DAPI、抗化膿レンサ球菌抗体等で染色し、共焦点レーザー顕微鏡で観察してスコア化する。

Causes of Carryover

平成29年度に実施予定であった高速液体クロマトグラフィー(HPLC)及びMALDI/TOF-MS質量分析を平成30年度に実施することとしたため、次年度使用額が生じた。平成30年度は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)及びMALDI/TOF-MS質量分析、抗spd抗体作製、病理学的検討(HE染色、免疫組織化学染色)及び感染動物実験を計画しており、当該実験において研究資金を使用予定である。

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Published: 2018-12-17  

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