2018 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of establish and differentiation of pluripotent cell during pre-implantation mouse development
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17K14976
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
浅見 拓哉 滋賀医科大学, 動物生命科学研究センター, 客員助教 (90793290)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 初期胚発生 / 内部細胞塊 / エピブラスト / 原子内胚葉 / FGF / ERK |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、マウス初期胚発生におけるエピブラスト(EPI)と原始内胚葉(PrE)分化メカニズムを明らかにすることを目的としている。マウス初期胚発生過程では、着床までに3つの細胞系譜が生じる。最初の分化は8細胞期から16細胞期にかけて行われ、将来胎児へ発生する細胞集団である内部細胞塊(ICM)と、着床後に胎盤組織へ分化する栄養外胚葉が生じる。ICMは後期胚盤胞期(E4.5)までに多能性細胞で着床後に胚体組織へ寄与するエピブラスト(EPI)と、胎児へ栄養を供給する卵黄嚢を形成する原始内胚葉(PrE)へ分化する(図1)。初期胚盤胞期(E3.25)のICMはEPIとPrEの両方の分化能を持つ共通の前駆細胞であり、このICMからEPIとPrEの分化には線維芽細胞増殖因子(FGF4)とそれにより活性化されるERK経路が重要である。しかし、どの様な細胞がFGF4を発現し、どの様な細胞でERK経路が活性化するのかはEPIとPrE分化メカニズムを明らかにする上で非常に重要であるが、その実態は殆ど明らかにされていない。 昨年度は、転写因子Klf5が初期胚盤胞期(E3.25)においてFgf4の発現を制御する因子であることを明らかにして、報告した。本年度は、どの様な細胞でFGF-ERK経路が活性化し、PrEへの分化が開始するのかを明らかにするため、リン酸化ERKを初期胚で解析する手法の確立を試みた。フランス オーベルニュ大学との共同研究により、世界で初めて着床前胚でリン酸化ERKを染色・可視化する手法を確立した。この手法により、E3.25の一部の細胞でERKのリン酸化が開始し、徐々にPrE系列の細胞へリン酸化ERKが局在する様子が観察された。これらの成果は、現在論文投稿中である。また、FGF4を発現する細胞を可視化するためのノックインマウスの樹立も進めている。
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Research Products
(2 results)