2017 Fiscal Year Research-status Report
スキルス胃がんの転移に関わる長鎖ノンコーディングRNAの機能解析
Project/Area Number |
17K14989
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
原 敏文 愛知学院大学, 薬学部, 助教 (80456219)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | スキルス胃がん / 転移 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、スキルス胃がん転移の分子機構を解明することにより、癌転移を標的とした治療研究基盤の確立を目指している。まず、スキルス胃がん患者由来の細胞株と、これら細胞をヌードマウスの胃に繰り返し同所性移植することによって樹立された腹膜高転移性株で発現する遺伝子をCAGE法により網羅的に解析し、細胞の転移能獲得に伴って、発現変動する遺伝子を明らかにした。転移に伴い発現が上昇する遺伝子群のうち9.5%が、また発現の減少する遺伝子のうち6.4%がタンパクに翻訳されない長鎖非コードRNA(lncRNA)であった。そこで、lncRNAの発現をリアルタイムPCR(qPCR)法により、個別に検証を行った。その結果、CAGE法で得られた発現変動のほとんどを、qPCR法により確認することができた。転移に伴い発現が上昇するlncRNAから8つのlncRNAをランダムに選び、その機能について検討を行った。予備実験として、siRNAの導入が細胞で発現するlncRNAの発現を抑制するか否かについてqPCRにより検討した。siRNAを導入した48時間後に、細胞からRNAを抽出しqPCR法により遺伝子の発現レベルを解析し、siRNAの有効性を検証した。その後、有効性の確認ができたsiRNAを腹膜高転移性株に導入し、細胞に与える影響を調べた。興味深いことに、細胞の増殖に影響を及ぼさないにも関わらず、細胞の遊走性に影響を与えるsiRNAが見つかった。つまり、本結果はlncRNAが細胞の遊走性で重要に機能していることを示唆しており、今後細胞の浸潤能やin vivoでの転移に影響を与えるか否かについて検討を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度において研究計画に基づいて実験を実施し、スキルス胃がん細胞の転移能の上昇に伴い発現変動するlncRNAを明らかにした。また、lncRNAの細胞における機能を解析した結果、スキルス胃がんの遊走に機能するlncRNAが得られた。つまり、当初の研究実施計画通りに実験計画は進み、順調に結果が得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度に研究実施計画通りに実験計画は進み、順調に結果が得られている。そこで、平成30年度は当初の研究実施計画通り、癌細胞の転移におけるlncRNAの機能を細胞実験および動物実験による解析を行なっていく予定である。
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Causes of Carryover |
ほぼ研究計画通りに実験を進んでいる。次年度使用額については、実験消耗品や一般試薬が不足しているので、その購入に充てる計画である。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] MAGI-1 expression is decreased in several types of human T-cell leukemia cell lines, including adult T-cell leukemia.2018
Author(s)
Kozakai T, Takahashi M, Higuchi M, Hara T, Saito K, Tanaka Y, Masuko M, Takizawa J, Sone H, Fujii M
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Journal Title
Int J Hematol.
Volume: 107
Pages: 337-344
DOI
Peer Reviewed
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