2017 Fiscal Year Research-status Report
ヒストンメチル化によるPD-L1発現調節の分子機序解明
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17K14994
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
豊川 剛二 九州大学, 大学病院, 助教 (30627261)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | PD-L1 / EZH2 / 肺腺癌 / 手術 |
Outline of Annual Research Achievements |
2003年1月から2012年12月までに九州大学消化器・総合外科にて手術を行った肺腺癌417例について、programmed death-ligand 1 (PD-L1)とenhancer of zeste homolog 2 (EZH2)の発現を免疫組織化学染色にて解析した。PD-L1については抗PD-L1抗体 (クローンSP142、ラビットモノクローナル)を用いた。染色条件は1:100の希釈濃度であり、陽性基準として腫瘍細胞、および腫瘍浸潤免疫細胞が染色されるもの、そして全体の5%以上が染色されるものを陽性と定義した (Herbst RS, et al., Nature, 2014)。また、EZH2については抗EZH2抗体 (クローン6A10、マウスモノクローナル)を用いた。染色条件は1:100の希釈濃度であり、陽性基準としてAllred scoreを用い (Allred DC, et al., Mod Pathol, 1998)、0-2を陰性3-8を陽性とした。 PD-L1とEZH2の発現は21%、および51%に認められ、また、両者が正の相関を示すことを同定した。すなわち、EZH2陽性症例では49%がPD-L1陽性であったが、EZH2陰性症例では7%のみPD-L1陽性であった (P<0.001)。臨床検体における両者の有意な相関を示した点で意義深く、今後、細胞株の実験を行う際のrationaleとなる可能性がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上述のごとく、臨床検体を用いてPD-L1とEZH2の有意な相関を示すことができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、肺腺癌のみならず、肺扁平上皮癌や小細胞肺癌の切除例においても、PD-L1とEZH2の相関を解析する予定である。また、PD-L1とEZH2の相関のメカニズムについても、細胞株を用いた解析などによって明らかにする予定である。
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