2017 Fiscal Year Research-status Report
成人T細胞白血病 (ATL)に対するレナリドミドの作用機序の解明
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17K14996
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
山本 淳一 東京医科大学, 医学部, 助教 (40748472)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | がん / 成人T細胞白血病 / IMiDs |
Outline of Annual Research Achievements |
(1) ATL細胞株の細胞抽出液に含まれるレナリドミド及び次世代IMiDs特異的なCRBNの相互作用因子の同定 ATL細胞株の一つであるED-40515細胞抽出液から、免疫沈降法と質量分析によってIMiDs特異的なCRBNの相互作用因子の探索を行った。IMiDsとしてレナリドミドと次世代IMiDsで最も抗ATL作用が強かった化合物を使用した。結果として、質量分析で同定された多数のタンパク質の中で、IMiDs添加によってCRBNとの結合が有意に強まったと判断されたタンパク質は39種類であった。 (2) UbiScanによるATL細胞株に含まれるIMiDs依存的なCRBNの基質の同定 UbiScanは、サンプル調製から外部業者に委託すると極めて高額になるため、質量分析以前の全行程を研究室で行う事とした。本年度はそのために必要となる各種条件検討を行った。現在、条件検討は終了して、質量分析の結果を待っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
UbiScanの質量分析以前の全行程を研究室で行う事としたため、年度内にCo-IP質量分析とUbiScanの結果が揃わなかったが、研究そのものは滞りなく進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
(1) UbiScanによるATL細胞株に含まれるIMiDs依存的なCRBNの基質の同定 平成29年度中に本サンプルの解析に至らなかったため、予備実験の結果に問題がなければ、すぐに本サンプルの質量分析を行う。 (2) 標的因子の絞り込み 既に、IMiDs特異的なCRBNの相互作用因子として同定した39種類の標的候補の中で、特に興味深い5つのタンパク質については先行して抗体を購入してIMiDsによる変化を解析している。(1)のUbiScanの結果を合わせて、10~20程度の標的候補についてIMiDs依存的なCRBNによる分解、およびノックダウンがATL細胞株の増殖に与える影響を解析し、標的候補の絞り込みを行う。 (3) 絞り込まれた少数の標的候補について、IMiDs処理とノックダウンのそれぞれについてRNA-seqを行う。
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Causes of Carryover |
初年度に予定していたスクリーニング系のうち一方の結果が、年度内に間に合わなかったため、詳細に解析する標的因子の絞り込みが十分に行えなかったため次年度使用が生じた。 標的因子の抗体の購入に充てる予定であった予算の一部を繰り越し、スクリーニングの結果が揃う次年度に使用する計画である。
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