2018 Fiscal Year Annual Research Report
Preparation of human PD-1-expressing T cell-bearing mouse and construction of evaluation system of anti-PD-1 antibody drug
Project/Area Number |
17K15007
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
黒川 宏美 筑波大学, 医学医療系, 助教 (30791496)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 抗PD-1抗体薬 / LLC細胞 / 共培養 / 薬効判定 |
Outline of Annual Research Achievements |
担がんマウスから分取した腫瘍浸潤リンパ球(Tumor Infiltrating Lymphocyte:TIL)と、腫瘍細胞を共培養し、抗PD-1抗体薬を添加することで抗PD-1抗体薬の薬効判定がin vitroで可能か検討した。抗PD-1抗体薬はある一定の患者に対して高い有効性を示す一方、非常に高価であること、一部重篤な副作用が生じることが問題視されている。さらに近年その適応範囲が拡大しつつある中、患者選択が非常に重要であることが言われている。この問題を解決するためのシステムをin vitroで構築することが本研究の目的である。 蛍光タンパクGFP/iRFPを遺伝子導入し、かつ PD-L1が強発現しているLLC細胞と、担がんマウスから分取したTILを共培養し、死細胞染色色素SYTOXで染色することで、in vitroで抗PD-1抗体薬の薬効判定システムが構築できるか検討した。 担がんマウスから分取したLLC細胞はフローサイトメーターを用いてTILを回収した。回収したTILは腫瘍細胞の10%程度であった。このTILとPD-L1強発現LLC細胞またはLLC細胞と共培養し、そこに抗PD-1抗体薬を添加しTILによるLLCへの細胞傷害効果を検討した。抗PD-1抗体薬添加後の細胞傷害性はPD-L1強発現またはLLC細胞で差は見られなかった。分取したTILに腫瘍細胞を傷害するT細胞が含まれているか、CD4/CD8をフローサイトメーターで解析したところ、CD4陽性は0.88%、CD8陽性は42.5%であった。薬剤効果判定システムが十分機能しなかった要因として、①CD4/CD8陽性細胞数が不十分であること、②共培養時のTILの細胞数が腫瘍細胞に比べ相当量必要であること、③添加する抗PD-1抗体薬の種類が示唆された。
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