2018 Fiscal Year Annual Research Report
Identification of diagnostic biomarker for glioblasotma with innovative proteomics
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17K15012
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
古田 拓也 久留米大学, 医学部, 助教 (20646690)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 膠芽腫 / バイオマーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
革新的プロテオミクスSWATH法によるスクリーニングで抽出された膠芽腫の血中バイオマーカー候補分子6種類のうちleucine-rich alpha-2 glycoprotein 1 (LRG1)に着目した。LRG1は糖尿病網膜症や固形癌において病的な血管新生に関与する分子で、膠芽腫における生物学的機能については十分な検討がなされていない。 申請者の所属施設に集積されている膠芽腫を含む神経膠腫160症例に対してLRG1などの免疫組織化学を施行した。LRG1は腫瘍細胞の細胞質に主に発現し、膠芽腫症例において有意に発現が亢進していた。一方で、LRG1高発現は膠芽腫の予後良好因子であることが判明した。LRG1発現と腫瘍細胞の増殖能の目安となるMIB-1標識率は統計学的に有意な逆相関を示したことから、LRG1は腫瘍増殖を抑制する可能性が示唆された。他の分子としてp53変異, TERTプロモーター変異をそれぞれ免疫組織化学、Sanger sequenceで解析を行ったところ、LRG1との有意な相関は認められなかった。臨床的パラメーターとして治療前の全身状態、年齢、腫瘍体積、MGMTプロモーターのメチル化有無との関連も認められなかった。 以上よりLRG1は膠芽腫の診断マーカーとして有望であることが病理組織学的に示されたばかりでなく、予後予測因子としての可能性が示唆された。ただし、LRG1発現と一般的な膠芽腫の予後因子との関連はなく、LRG1が予後良好因子である理由についてはさらなる検討が必要であると考えられた。
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Research Products
(2 results)