2018 Fiscal Year Annual Research Report
Screening of novel markers for drug sensitivity in clear cell renal cell carcinoma with deep kinome profiling
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17K15014
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Research Institution | National Institutes of Biomedical Innovation, Health and Nutrition |
Principal Investigator |
阿部 雄一 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 医薬基盤研究所 プロテオームリサーチプロジェクト, 協力研究員 (30731632)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 淡明型腎細胞がん / リン酸化プロテオミクス / 薬剤感受性 / キナーゼ活性測定 / キナーゼ阻害剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究計画では、淡明腎細胞癌における網羅的キナーゼ情報(=キノーム情報)を取得し、キナーゼ阻害剤感受性マーカーと耐性克服標的の同定を目的とする。 淡明腎細胞癌の切除組織片からのコンディショナルリプログラミング法による癌組織由来細胞株の樹立を2018年10月までに完了した。最終的に、178個の癌検体から25細胞株の作成に成功した。そのうち淡明型腎細胞がんの17細胞株に対して、スニチニブ、アキシチニブ、エベロリムス、カボザンチニブの薬剤感受性試験を行った。 17株の凍結ストックから再融解後、11株については上記4剤の薬剤感受性データの測定に成功した。一部の細胞株では再融解後に細胞増殖が認められなかったため、今回の解析計画から除外した。その結果、11株それぞれで上記4剤に異なった感受性パターンが観測され、当初の狙いである薬剤感受性メカニズムの比較解析を実施し得るサンプル(感受性株、耐性株)が整備できた。 薬剤感受性データを取得した11株のうち、十分なタンパク質量の確保できた10株についてプロテオミクス解析、リン酸化プロテオミクス解析を進めた。LC-MS/MSによる測定の結果、プロテオミクス解析からは6486タンパク質、リン酸化プロテオミクス解析では33652リン酸化部位(うちClass1部位は21407部位)がそれぞれ同定された。 今後、得られたデータを統合し、薬剤感受性群、耐性群それぞれにおけるキノーム活性変動を、研究代表者が報告済みの活性プロファイリング法で算出予定である。また基質タンパク質側のリン酸化ネットワーク構造の変化に関する解析を、PHOTON法(Cell Systems, 2016)により実施する。これらの解析結果から、耐性群で活性化しているリン酸化シグナルネットワークを抽出する予定である。
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Research Products
(3 results)