2017 Fiscal Year Research-status Report
肺扁平上皮癌におけるグルタミンを標的とする治療法の開発
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17K15020
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
松本 吉史 新潟大学, 医歯学総合研究科, 特任講師 (60770211)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 肺扁平上皮癌 / グルタミン |
Outline of Annual Research Achievements |
肺扁平上皮癌 6株におけるTP53およびNrf2遺伝子異常の有無、c-myc遺伝子増幅や発現増強について解析した。また、gls1とGls2のタンパク発現レベルをwestern blottingで解析した上に、さらにGls1とGls2のグルタミン依存性における役割を解明するため、グルタミン非依存性の肺扁平上皮癌株QG56において、Gls1ノックイン或いはGls2ノックダウンにより、グルタミン欠乏による増殖抑制が促進されていることを確認した。グルタミン依存性の肺扁平上皮癌株において、Gls1ノックダウン或いはGls2ノックインにより、そのグルタミン依存が解除できるかを確認した。Gls1阻害剤であるBPTESを各種濃度で細胞に加えることより、その増殖抑制効果を評価した。グルタミン依存性の肺癌はBPTESに対して感受性が高いことがin vitroで確認されていることから、GLS1特異的阻害剤であるcompound 968及びCB-839のグルタミン代謝阻害剤を用いて肺扁平上皮癌における増殖抑制効果を検証した。グルタミン非依存細胞株QG56とグルタミン依存性細胞株 におけるグルタミン代謝阻害による mTORC1活性の低下の有無を下流タンパク(S6、p70 S6K等)のリン酸化で検討した。細胞培地からグルタミン除去後、グルタミン依存性細胞においてmTORC1シグナルが抑制されているのが判明した。他の下流タンパク(p70 S6K等)のリン酸化レベルを測定し検証した。また、上記Gls1阻害剤によりグルタミン代謝を阻害した後に、グルタミン依存性及び非依存性細胞株においてmTORC1シグナル活性を検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
肺扁平上皮癌細胞株におけるグルタミン依存性を確認した。
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Strategy for Future Research Activity |
グルタミン非依存細胞株QG56とグルタミン依存性細胞株 におけるグルタミン代謝阻害による mTORC1活性の低下の有無を下流タンパク(S6、p70 S6K等)のリン酸化で検討する。細胞培地からグルタミン除去、グルタミン依存性細胞においてmTORC1シグナルが抑制されていることを検証する。他の下流タンパク(p70 S6K等)のリン酸化レベルを測定し検証する。また、上記Gls1阻害剤によりグルタミン代謝を阻害した後に、グルタミン依存性及び非依存性細胞株においてmTORC1シグナル活性を検討する。グルタミン非依存細胞株QG56 とグルタミン依存性のRERF-LC-1におけるグルタミン除去または Gls1特異的阻害剤投与後にオートファジーが誘導されるか検討する。具体的には E-16-d と pepstatin A を加えた後、蛋白質を抽出し、western-blotting で LC3-II の発現を評価し、LC3-II の発現増強を認めるか検討する。 グルタミン依存性の肺扁平上皮癌(RERF-LC-A1)と非依存性細胞株(QG56)をスキッドマウスの皮下に移植する。皮下腫瘤が約100m3まで成長した時にGls1特異的阻害剤(BPTES、CB-839等)を腹腔内注射を行い、飼育をさらに10日間続ける。3日間に1回腫瘤のサイズを測定し、腫瘤ボリューム変化を評価する。その後、腫瘍組織を剥離し、組織学的に評価する。HE染色の他に、抗リン酸化S6抗体でmTORC1のシグナル抑制の有無やオートファジー誘導の有無を検討する。 2001年から2013年までの間に当院において外科的切除された肺扁平上皮癌は 130例を超える。分化の異なる検体を 5-10例程度それぞれ用いて、Gls1、Gls2 の mRNA発現量、および抗Gls1抗体抗Gls2抗体を用いて免疫染色にてタンパク発現を評価する。
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