2017 Fiscal Year Research-status Report
Evaluation of the effects of diabetes-associated hepatokine on the tumor growth, angiogenesis and platinum-based therapy
Project/Area Number |
17K15033
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Research Institution | Kobe Gakuin University |
Principal Investigator |
安藤 基純 神戸学院大学, 薬学部, 講師 (90636028)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ヘパトカイン / セレノプロテインP / 糖尿病 / 腫瘍 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、糖尿病病態において発現が亢進するとされているセレノプロテインPが腫瘍増殖や抗がん薬治療に及ぼす影響を、in vivoで評価する計画としているため、まずはストレプトゾトシン誘発の糖尿病モデルマウスと高脂肪食による肥満モデルマウスを作製し、それらの空腹時血糖レベル、血中インスリン濃度および血中セレノプロテインP濃度を評価した。その結果、検討開始後1週目から、ストレプトゾトシン誘発糖尿病モデルマウスおよび肥満モデルマウスともに、空腹時血糖の上昇が見られ、その後7週目まで、同様の空腹時血糖レベルが見られることが確認された。7週目の時点で血中インスリン濃度を測定したところ、ストレプトゾトシン誘発糖尿病モデルマウスでは明らかにインスリン濃度が低下していることが確認され、一方で肥満モデルマウスでは、対照群とほぼ同様の血中インスリン濃度であることが確認された。つまり、ストレプトゾトシン誘発糖尿病モデルマウスではインスリン濃度依存的に、一方で肥満モデルマウスでは非依存的に高血糖状態となっていることが確認された。併せて、それらのモデルマウスの血中セレノプロテインP濃度も評価したところ、ストレプトゾトシン誘発糖尿病モデルマウスでは対照群より低い血中セレノプロテインP濃度であることが示され、一方肥満モデルマウスでは対照群より高い血中セレノプロテインP濃度であることが示された。このように本検討より、セレノプロテインPの腫瘍増殖および抗がん薬治療への影響をin vivoで評価するには、高脂肪食による肥満モデルマウスを利用すべきであるとの知見を得た。現在、セレノプロテインPの腫瘍増殖および抗がん薬治療への影響を、モデルマウスを用いて検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
好ましいモデルマウスの検討に時間を要し、本来の検討事項であるセレノプロテインPの腫瘍増殖および抗がん薬治療への影響まで評価できていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
好ましいモデルマウスについての知見は得られたので、可及的速やかにそのモデルマウスにがん細胞を移植し、セレノプロテインPの腫瘍増殖への影響の評価を進める。不慣れな操作などを伴う可能性があるので、この検討を第一に進めるが、それと並行して比較的手技が定着している抗がん薬(白金製剤)治療への影響の検討も進め、遅れを取り戻す方策とする。
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Causes of Carryover |
好ましいモデルマウスの検討に想定外に時間を要し、予定していた検討項目を実施できなかったため次年度使用額が発生した。しかしながら、初年度で好ましいモデルマウスついての知見が得られたため、次年度以降はそのモデルマウスを利用し、速やかに予定の検討を進める。その際、不慣れな操作を伴い時間を要しそうな検討事項から進めつつ、可能な限り並行して、手技が安定・定着している検討事項も進めることで、次年度までの計上予算を執行していく。
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