2020 Fiscal Year Annual Research Report
Evaluation of the effects of diabetes-associated hepatokine on the tumor growth, angiogenesis and platinum-based therapy
Project/Area Number |
17K15033
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
安藤 基純 愛知学院大学, 薬学部, 講師 (90636028)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 糖尿病 / セレノプロテインP |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では糖尿病患者のがん治療奏効率向上に寄与する知見を得るべく、糖尿病関連ヘパトカインであるセレノプロテインPが白金製剤の効果および副作用または腫瘍増殖や血管新生に及ぼす影響を、病態モデルマウスを用いて明らかにすることを目的とした。まずはセレノプロテインPの白金製剤の効果および副作用に対する影響を予見するため、ストレプトゾトシン(STZ)投与により作製した糖尿病モデルマウスとそのコントロールマウスにオキサリプラチンを投与し、その後の血液中の遊離型白金濃度および総白金濃度の経時的変化を評価した。その結果、投与後10分までは血液中の遊離型白金濃度および総白金濃度はコントロールマウスよりも糖尿病モデルマウスの方で高かったが、10分以降は被験マウスとコントロールマウスで血液中の遊離型白金濃度および総白金濃度に差は見られなかった。続いて、血中セレノプロテインP濃度の上昇を保有する糖尿病モデルマウスを作製するにあたり、STZ投与と高脂肪食供与のいずれが妥当であるかを検討した。その結果、STZ投与マウスではSTZを単回および複数回投与しても血液中のセレノプロテインP濃度は上昇しなかったのに対し、高脂肪食供与マウスでは飼料供与後14日目および49日目に通常食供与マウスより有意に高い血中セレノプロテインP濃度となることが明らかとなった。さらにマウスの系統による違いを確認したところ、C57BL/6マウスでは高脂肪食摂取群において、飼料供与後4週以降で通常食摂取群より有意に高い血中セレノプロテインP濃度となったが、BALB/cマウスでは通常食摂取群と高脂肪食摂取群で血中セレノプロテインP濃度に有意な差が認められることはなかった。尚、当初計画していたセレノプロテインPが腫瘍増殖および血管新生に及ぼす影響の評価は、結論を導き出せるほどの知見を得るまでには至らなかった。
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