2017 Fiscal Year Research-status Report
Role of CD271-CDKN1C pathway in HNSCC
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17K15035
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Research Institution | Miyagi Prefectural Hospital Organization Miyagi Cancer Center |
Principal Investigator |
山崎 知子 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所), がん幹細胞研究部, 特任研究員 (20792493)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | CD271 |
Outline of Annual Research Achievements |
頭頸部癌は、近年罹患率の上昇が認められている極めて悪性度の高い癌である。診断時既に進行癌(ステージIII、IV)である症例が60%を占め、シスプラチン・5-FUを用いた化学放射線療法でも治療効果の改善に乏しい。近年、分子標的薬であるセツキシマブが頭頸部癌治療に認可されたが、満足のいく奏功率は得られていない。一方、肺癌等では抗EGFR抗体に加え、抗PD-1抗体等、分子標的薬が大きな効果を示しており、頭頸部癌においても癌種特異的な標的分子の発見が期待される。 私たちは、頭頸部癌の中でも予後およびQOL の悪い下咽頭癌に焦点を当て、癌の増殖能を制御する因子のスクリーニングを行った。下咽頭癌臨床検体を用いて免疫不全マウスへの腫瘍形成能をスクリーニングした結果、神経成長因子(NGF)の受容体であるCD271の有無が、マウスにおける造腫瘍能を決定づけることを見いだした。さらに、このCD271 高発現の症例は予後も不良であり、CD271 は下咽頭癌の悪性度を決定づける因子であることを見いだした。 申請者は、下咽頭癌において、癌細胞の増殖能がCD271-CDKN1C 依存性であることを示した。本研究においては、CD271-CDKN1C を治療標的とするために、CD271-CDKN1C 経路の詳細な分子機構を明らかにし、この経路の阻害物質の探索を目標とする。 本年度は、抗CD271抗体の作成およびADCC活性の測定を行った。約20クローンを樹立し、ADCC活性の測定を続けている。in vitroにおけるADCC活性、および担癌マウスを用いたADCC活性の測定を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
特に問題なく進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
1. 下咽頭癌細胞の増殖を抑制するCD271 阻害抗体の作成 2. CD271-CDKN1C 制御メカニズムの解明 (a) CDKN1C 制御のCD271 責任ドメインの同定(b) CD271-CDKN1C 経路に重要な下流分子の同定 3. CD271 下流シグナル・共役分子を標的とした治療法の確立(a) CD271 阻害抗体を用いたADCC アッセイ(b) CD271-CDKN1C の共役分子の阻害化合物のスクリーニング
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Causes of Carryover |
本年度は抗体作成に注力し、その他の解析を次年度に回したため。次年度に解析を中心に行う。
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