2018 Fiscal Year Research-status Report
Understanding of how the cell distinguishes piRNA precursors and transcripts from cellular counterparts
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17K15051
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
小野口 真広 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 産総研特別研究員 (30645297)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | piRNA / transposon / ChIRP-MS / PIWI / OSC / ハエ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、「piRNA前駆体が多くの転写産物のなかからどのように選ばれるのか」という課題に対し、piRNA前駆体に結合するタンパク質を網羅的に解析することでその責任因子を検討した。この解析にはChIRP-MS (Comprehensive Identification of RNA binding Proteins by mass spectrometry)という実験手法を導入した。この手法は、目的のRNAを相補的なオリゴプローブを用いて特異的に沈降し、共沈されるタンパク質をMS解析することで目的のRNAのin vivoでの相互作用因子を網羅的に同定するものである(Chu et al, Cell, 2015)。本研究では、ハエのpiRNA前駆体として代表的なflamencoに対するプローブを作成し、ChIRP-MSを行なった。前年度までの結果により本実験系がうまく機能することが確認できていたので、本年度では実験を複数回行い、統計的に有意な結果を得た。その結果、flamenco結合タンパク質として同定されたタンパク質群には、すでにpiRNA生合成経路に必須であることが報告されているものやPIWI結合因子が多数確認された。さらに、機能未知のタンパク質を含む新規の因子も複数同定した。これらのタンパク質が実際にpiRNAの機能に必要かを検討するため、ノックダウンを行い、トランスポゾンの発現が上昇するかを検討した。その結果、いくつかのタンパク質において、ノックダウンによりトランスポゾンが脱抑制することが示唆された。これらのタンパク質はいずれもこれまでpiRNAの生合成経路としては報告がないものであるため、piRNAの生合成経路あるいはトランスポゾンの抑制経路に新たなpathwayが関与する可能性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では当初の計画通り、piRNA前駆体であるflamencoに対するChIRP-MS実験を行い、既知の結合因子の他に複数の新規因子の同定に成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
同定された新規因子に対してさらなる解析を検討する。
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Causes of Carryover |
本課題の中心的な実験であるChIRP-MSの結果、piRNA生合成経路に関与すると考えられる候補遺伝子を多数同定することができた。しかし、候補遺伝子が予想以上に多く見つかったため、研究期間の延長が必要と判断した。
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Research Products
(1 results)