2022 Fiscal Year Annual Research Report
Long-term trends in bird communities: estimation using national birding records and hierarchical Bayesian modelling
Project/Area Number |
17K15057
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
片山 直樹 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農業環境研究部門, 主任研究員 (10631054)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 鳥類 / 個体数トレンド / 里山 / 農地生態系 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度に相当する2022年度には、以下の2つの研究課題を遂行した。(A)モニタリングサイト1000の森林草地サイト+里山サイトにおける鳥類普通種47種の2009年から2020年までの12年間の個体数トレンドを定量化した。解析にはTRIM(Trends and Indice for Monitoring data)を使用した。得られた各種の個体数トレンド(加法パラメータ)を目的変数とし、各種の種特性を説明変数とした系統最小二乗回帰を行った結果、個体数トレンドの大小を説明したのは(1)生息地グループ(森林性・里山性・農地草地性)と(2)気温ニッチの2つだった。前者については、Multi-species indicatorsを計算したところ、森林性鳥類は12年間の間に増加傾向がある一方、里山性・農地草地性鳥類は減少傾向にあることが分かった。後者については、気温ニッチが低い種ほど減少傾向にあることがわかった。これらの結果は近年の土地利用変化および気候の変化が、鳥類の個体巣トレンドを左右していることを示唆する。以上の結果は論文として投稿中である(改訂中)。 (B)全国の探鳥会記録のデータ入力については、今年度も継続した。諸事情によりデータ入力の労働力を継続的に確保することが難しくなり、残念ながらすべてのデータを入力させることはできなかった。しかし9割以上のデータが入力出来たため、今後得られたデータをもとに日本の鳥類トレンドの長期変化傾向を探る解析が期待できる。 農地のタマシギ個体数変化と合わせて、日本の陸地生態系の鳥類個体数トレンドに関する複数の成果を挙げることができ、将来の統合鳥類個体数指数の作成への大きな一歩とすることができた。
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Research Products
(4 results)