2017 Fiscal Year Annual Research Report
新奇ncRNAを介したグロビン遺伝子転写調節メカニズムの解明
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17K15067
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
土井口 真康 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 客員研究員 (50567774)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 転写調節 / エピジェネティクス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、哺乳類の発生段階で見られるグロビンスイッチに関与する候補因子として我々が発見したnon-coding RNAの一つであるncRNA-GR(ncRNA-Globin Regulator)がどのようにグロビン遺伝子の転写を調節しているか解明することを目指した。 初年度の研究実施計画(I)で挙げた項目では、ncRNA-GRの転写制御能をモニターすることを最終目標とし、まず血球細胞のクロマチン環境を模倣したin vitro転写系の確立を目指し、転写因子の精製を行った。バキュロウイルスを用いた系で昆虫細胞Sf9にリコンビナントタンパク質を発現させ、その後の精製によりEKLF、Nf-e2及びCTCFを得た。これら因子と、これまでに作成していたRNA polymerase II、基本転写因子群、及びGATA-1との組み合わせによりncRNA-GRの機能をin vitro転写で評価する予定である。 研究実施計画(Ⅱ)ではncRNA-GRの転写抑制を培養細胞で検証するために、ncRNA-GRゲノム領域欠損細胞株を樹立することを目指した。ヒト慢性骨髄性白血病由来K562細胞を用いCRISPR/Cas9システムでのゲノム編集によりncRNA-GR1、ncRNA-GR2、もしくはその両方を含むゲノム領域をそれぞれ欠損させた細胞株、計3種の作製を目指していたが、クローニングの段階で難航しており、現在のところ欠損株を樹立できていない。
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