2017 Fiscal Year Research-status Report
「場」の成熟を見極めて機能する新規RabGEFの構造生物学的研究
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17K15072
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
伊藤 桜子 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助教 (60597152)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | X線結晶構造解析 / Rab |
Outline of Annual Research Achievements |
Rab11GEFであるREI-1/SH3BP5について、結晶化に用いる領域の検討や点変異の導入など発現系の改良を重ねて単体の結晶を調製することに成功した。この結晶を用いて、大型放射光施設SPring-8にてX線回折実験を行い、3.5 Å分解能のX線回折データを得た。更に、立体構造決定に不可欠な位相決定を行うため、セレノメチオニン置換体の調製を試みた。ところが、セレノメチオニン置換タンパク質は性質が悪く、凝集してしまうために結晶を得ることができなかった。そこで、点変異を導入してコンストラクトを改良し、セレノメチオニン置換体の結晶を得る条件を見出した。この結晶を用いてSPring-8にてX線回折実験を行い、単波長異常分散法による位相決定を経て、REI-1/SH3BP5の立体構造を3.4 Å分解能で決定することに成功した。
更に、以前に取得していたREI-1/SH3BP5-Rab11複合体の3.9 Å分解能のX線回折データについて、上記で決定したREI-1/SH3BP5単体の立体構造と既知のRab11単体の立体構造を用いた分子置換法を行うことにより、REI-1/SH3BP5-Rab11複合体の立体構造を決定することにも成功した。
現在は、分解能を向上させるために結晶改善を試みている。具体的には、得られた構造から明らかになった最小の相互作用領域を用いて結晶化を行う。これと同時に、明らかになった認識機構について変異体を用いた活性実験を検証実験を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
課題採択時の計画の通り、Rab11GEF-Rab11複合体の立体構造を決定することに成功したため。
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Strategy for Future Research Activity |
Rab11GEF-Rab11複合体の立体構造が明らかになったので、Rab11GEFによるRab11活性化に関わる残基について変異体実験を行い、反応機構の詳細を明らかにする。同時に、分解能を向上させてより詳細な構造情報が得られるように、コンストラクトや結晶化条件の改善を進める。
更に、立体構造を基に作成した変異体を用いて、Rab11GEFの機能とRab11の局在の関係を細胞内で検証する。
得られた結果は論文にまとめ、科学雑誌に発表する。
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Research Products
(4 results)