2018 Fiscal Year Annual Research Report
Role of cross-seeding in the pathogenesis of neurodegenerative disorders
Project/Area Number |
17K15077
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Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
徳田 栄一 徳島文理大学, 薬学部, 講師 (00757510)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 筋萎縮性側索硬化症 / マウスモデル / ミスフォールドタンパク質 / プリオン様特性 |
Outline of Annual Research Achievements |
筋萎縮性側索硬化症(ALS)は、運動ニューロンの脱落により、進行性の筋萎縮をきたす神経変性疾患である。ALSの病因遺伝子としてCu/Zn-superoxide dismutase(SOD1)の変異が同定されており、SOD1変異を伴うALSでは、運動ニューロン内に構造異常を呈したSOD1タンパク質(ミスフォールド体)が蓄積している。近年、神経変性疾患のニューロン内で観察されるミスフォールド型タンパク質は、異常型プリオンタンパク質と類似した性質を有することが指摘されている。つまり、ミスフォールド型タンパク質が構造的な鋳型(シード)となることで、正常型タンパク質のミスフォールディングを誘発する。その結果、ミスフォールド型タンパク質が脳内に異常蓄積し、ニューロン死を引き起こすとする「プリオン仮説」が提唱されている。 そこで本研究課題では、プリオン仮説に基づく変異型SOD1のミスフォールディングメカニズムを検証するために、変異型SOD1が野生型SOD1のミスフォールディングを誘発するか検証した。具体的には、変異型SOD1と野生型SOD1を共発現させたダブルトランスジェニックマウスを作製し、ALS様の運動ニューロン症状、および、運動ニューロン内のミスフォールドSOD1量を免疫組織化学やサンドウィッチELISA法にて解析した。その結果、変異型SOD1の存在によって、野生型SOD1のミスフォールディングが疾患早期から誘発され、さらに、ALS様の運動ニューロン症状(麻痺、および、生存期間の短縮)が憎悪することがわかった。 本研究より、変異型SOD1が野生型SOD1をミスフォールド型へと構造変換させる「プリオン様の性質」を有することが個体レベルにおいても明らかとなった。
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Research Products
(11 results)