2018 Fiscal Year Annual Research Report
cryo-EM analysis of the spliceosomal U5 snRNP biogenesis
Project/Area Number |
17K15080
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
滝沢 由政 東京大学, 定量生命科学研究所, 助教 (00434291)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | スプライソソーム / クライオ電子顕微鏡 |
Outline of Annual Research Achievements |
スプライソソームは、pre-mRNAのスプライシング反応を触媒するメガダルトンサイズのRNA-タンパク質複合体(snRNP)である。すべての真核生物に保存されているスプライソソームは、100種類以上もの構成タンパク質と5種類のsnRNAが正確に会合、解離を繰り返すことにより機能している。本研究は、pre-mRNAスプライシングを触媒するスプライソソームの活性中心である、U5 RNA-タンパク質複合体(U5 snRNP)の成熟過程、リサイクル過程における構造・機能変化を解明し、スプライシング機構への役割を明らかにすることを目的としている。 昨年度に、U5 snRNPの成熟過程の構造解析を目的とし、分裂酵母のU5 snRNP前駆体を精製するため、U5 snRNP前駆体に特異的に結合することが知られているAar2タンパク質の遺伝子のクローニングを行った。その標的タンパク質を使い、U5 snRNP前駆体のアフィニティ精製を検討した。2018年度は、まず、アフィニティ精製されたU5 snRNP前駆体を質量分析法により、構成タンパク質の同定を行った。その結果、U5 snRNP前駆体に含まれることが予想されていたタンパク質に加え、その他のスプライソソームに関与するタンパク質も同定することができた。また、得られた複合体のクライオ電子顕微鏡構造解析に向け試料の均一性を高めるため、化学架橋とスクロースグラジエントを組み合わせたGraFix法を検討した。GraFix後の試料をネガティブ染色電子顕微鏡法により観察し、複合体が多数得られていることを確認した。続いて、得られた分裂酵母U5 snRNP前駆体をクライオ電子顕微鏡により観察を行った。しかし、今回検討した複合体調製法では、著しく濃度が低く複合体粒子を観察することができなかったため、更なる検証が必要であることが分かった。
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