2018 Fiscal Year Research-status Report
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17K15092
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
渡邉 和則 岡山大学, 自然科学研究科, 助教 (70602027)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 熱ストレス / Xrn1 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、【熱ストレスによるXrn1活性化機構の解明】、【Xrn1の基質認識機構の解明】を目的に研究を進めている。2018年度は下記の課題を実施しました。 (1) 熱ストレスによりXrn1に結合するタンパク質の同定 熱ストレスによりXrn1に結合するタンパク質をプルダウン法と質量分析により同定を試みた。その結果、複数のXrn1結合タンパク質の候補が挙がったが、再現性が低いため同定にまで至っていない。 (2) ヒトXrn1を用いた試験管内実験系の構築 ヒトXrn1を用いた試験管内におけるRNA分解実験系は構築されていない。そのため、ヒト培養細胞にてXrn1を過剰発現させ、精製を試みた。その結果、精製収量は低いがXrn1を精製することができた。しかし、試験管内でのRNA分解を確認することができなかった。そこで、Xrn1を過剰発現させた細胞を熱ストレス処理後、Xrn1を精製、活性確認を行ったが、同様に活性を確認することができなかった。 (1), (2)より活性型Xrn1の精製に難航しているため、Xrn1のホモログであるXrn2に着目した。Xrn2はXrn1と標的とするmiRNAは異なるが、開始tRNAはXrn1, Xrn2により分解される。そこでXrn2に結合するタンパク質の同定および試験管内実験系の構築も試みている。現在、Xrn1と同様、結合タンパク質候補として複数のタンパク質が候補として挙がっているが再現性が低いため同定にまで至っていない。一方で少量ではあるが活性型Xrn2の精製に成功している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2018年度内にXrn1結合タンパク質を同定する予定だったが、再現性が乏しいため未だ同定するにまで至っていない。また、in vitroでのRNA分解も確認できていない。他方で新たなターゲットとしてXrn2の解析を進めている。現在、Xrn2を用いたin vitro実験系が構築できており、再現性が低いがいくつかのXrn2結合タンパク質候補が上がっている。しかし、そのため、やや遅れている課題もある一方で、標的を少し変更することで進み出した課題もある。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度には、少し遅れ気味の課題である熱ストレス特異的に結合するXrn1タンパク質の再現性およびXrn2タンパク質の再現性の確認を優先する。また活性型Xrn1の精製条件を再検討する一方で、Xrn1に融合させているタグの変更を行い、活性型Xrn1の精製を試みる。その後、Xrn1による基質認識実験を行う。また、Xrn2に関してもXrn1と同様にタグの変更で活性型Xrn2の収量の改善を試みる。また、Xrn2による基質認識実験も行う。
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Causes of Carryover |
Xrn1の結合タンパク質同定及びin vitroでのRNA分解実験系の構築が遅れているため (使用計画) 2019年度に行う熱ストレス特異的に結合するXrn1, Xrn2タンパク質の同定及び、基質認識機構解明のための生化学試薬に充てる予定である。
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