2019 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of a novel insulin signaling pathway in adipocytes
Project/Area Number |
17K15093
|
Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
竹中 延之 大阪府立大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (20610504)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | Rac1 / 脂肪細胞 / 肥満 / 糖尿病 / インスリン / 細胞内シグナル伝達 / 糖取り込み / GLUT4 |
Outline of Annual Research Achievements |
脂肪細胞での糖取込みは糖輸送担体GLUT4を介して行われる。我々は、このシグナル伝達系に低分子量GTP結合タンパク質Rac1が関与すること、さらに、Rac1は既知のインスリンシグナル伝達因子であるホスホイノシチド3キナーゼ(PI3K)-セリンスレオニンキナーゼ2(Akt2)の下流で活性制御されていることを明らかにしてきた。そこで2019年度は、インスリン刺激により活性化されたRac1がGLUT4の細胞膜移行を誘導するメカニズムを明らかにするため、脂肪細胞でインスリン依存的なGLUT4の細胞膜移行への関与が知られている低分子量GTP結合タンパク質RalAとRac1との関係性の検討を行った。3T3-L1脂肪細胞にPI3K、Akt2、Rac1の恒常的活性型変異体を異所性発現させると、GLUT4の細胞膜移行の誘導が認められた。しかしこの応答は、RalAの発現抑制により完全に抑制された。次に、蛍光免疫染色法を応用した独自の解析法にて、RalAの活性化状態を検討したところ、インスリン刺激によるRalAの活性化は、Rac1特異的阻害剤処理により抑制された。以上のことから、RalAはRac1の下流で活性制御され、GLUT4の細胞膜移行を制御していることが明らかとなった。 脂肪細胞特異的rac1ノックアウト(Adipo-rac1-KO)マウスが示す脂肪細胞の肥大化抑制メカニズムを明らかにするため、初代前駆脂肪培養細胞を用いたin vitro分化誘導系を構築し、解析を行った。その結果、Adipo-rac1-KOマウス由来の細胞では、脂肪細胞へ分化はするが、細胞のサイズは小さく、脂肪滴形成の抑制が認められた。したがって、脂肪細胞において、Rac1が肥大化に関与する可能性がより強く示唆された。
|
Research Products
(6 results)