2017 Fiscal Year Research-status Report
6位硫酸化コンドロイチン硫酸欠損による統合失調症様症状発現機構の解明
Project/Area Number |
17K15096
|
Research Institution | Kobe Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
内藤 裕子 神戸薬科大学, 薬学部, 特任助教 (10456775)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | プロテオグリカン / コンドロイチン硫酸 / 統合失調症 / 抑制性神経細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、中枢神経系の主要な細胞外マトリクス成分であるコンドロイチン硫酸(CS)の構造多様性による脳・神経系の制御機構の解明を目指し、CSの硫酸化異常による統合失調症様症状発現の分子メカニズムを解明することを目的としている。 予備的研究において、6位硫酸化CSの生合成を担うコンドロイチン6-O-硫酸基転移酵素-1(C6ST-1)のノックアウトマウスがプレパルス抑制の低下等の統合失調症様症状を示すことが示唆された。このCS硫酸化パターン異常による統合失調症様症状の発現機構を明らかにするため、神経系、免疫系の2つの視点からC6ST-1 KOマウスの脳・神経系の詳細な表現型解析を行っている。今年度は、一部、平成29年度と平成30年度の研究計画を入れ替えて、以下の研究を行った。 1) 6位硫酸化CSによる抑制性神経細胞の分化・成熟・維持の制御機構:抑制性神経細胞の異常と精神疾患との関連が示唆されていることから、各種抑制性神経細胞の数について、野生型マウスとC6ST-1 KOマウスにおける差を明らかにした。 2) 妊娠マウスへのストレス負荷が胎仔脳でのC6ST-1発現に及ぼす影響:統合失調症の発症リスクを高める要因の一つとして、妊娠期の母体へのストレスが報告されていることから、妊娠中のストレス負荷により胎仔の脳におけるCSの硫酸化パターンが変化する可能性を検討した結果、ストレス負荷の影響を受けることが示唆された。 3) C6ST-1欠損が脳内免疫応答にもたらす影響:精神・認知障害においても脳内炎症の関与が示唆されていることから、C6ST-1欠損マウスにおいてミクログリアの数に変動があるか調べた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
動物の都合等により、一部計画とは順番を入れ替えて研究を進めているが、全体の進捗状況としては順調であると思われる。
|
Strategy for Future Research Activity |
残っている課題について、計画通り実験を進める予定である。
|
Causes of Carryover |
当初の予定と順番を入れ替えて実験を行なったため、次年度使用額が生じた。次年度に残っている課題に取り組むため、次年度請求分と合わせて使用する予定である。
|
Research Products
(2 results)