2018 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of flagellar/ciliary assembly mechanism by tubulin polyglutamylation
Project/Area Number |
17K15115
|
Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
久保 智広 山梨大学, 大学院総合研究部, 特任助教 (70778745)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 鞭毛・繊毛 / クラミドモナス / チューブリン / 翻訳後修飾 / ポリグルタミン酸化 / TTLL / 運動性 |
Outline of Annual Research Achievements |
真核生物の微小管細胞骨格を構成するチューブリンはポリグルタミン酸化修飾という翻訳後修飾を受ける。本研究では、この修飾が鞭毛の構築に果たす役割を解明することを目的として開始された。昨年度および本年度の研究実績は大まかに以下の二点である。
1)ポリグルタミン酸化修飾に異常を持つ新規クラミドモナス変異株ssa11の解析 ポリグルタミン酸化修飾はTubulin tyrosine ligase-like (TTLL) protein familyに属する複数の蛋白質が担う。本研究では、マウスTTLL6(もしくはTTLL13)に相同な蛋白質を欠失したクラミドモナス変異株ssa11の解析を行った。ssa11は正常な表現型を示すが、既存のtpg1変異株(TTLL9を欠失、修飾が低下)と二重変異株にすると修飾がtpg1よりさらに低下する。また、tpg1は野生株の6-7割の運動性であるが、二重変異株は野生株の約4割まで低下する。このことは修飾の度合いと鞭毛の運動性が相関することを意味する。一方、二重変異株の鞭毛再生過程を観察したところ、再生速度が有意に遅いことが判明した。これは、この修飾が微小管の安定性に影響を及ぼすことを示唆する。 (2)αチューブリンポリグルタミン酸化修飾サイトの決定 クラミドモナスは10種類のTTLL遺伝子を持つが、それぞれの遺伝子が機能重複しているため、各TTLL変異株の解析が進展しなかった。そこでαチューブリンの修飾サイトを決定しようと考えた。長期的展望として、修飾サイトのアミノ酸を置換したチューブリンだけを発現する株を樹立し、この修飾の意義を解明することを想定している。その前準備として修飾サイトを決定することを目標とした。外来の変異αチューブリンを発現した株を解析したところ、E449とE450の両方、あるいはいずれかがポリグルタミン酸化されていることが明らかになった。
|
Research Products
(3 results)