2019 Fiscal Year Annual Research Report
Unconventional secretion mechanism of transglutaminase involving exosomes and two types of fatty acylations
Project/Area Number |
17K15121
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
柴田 俊生 九州大学, 理学研究院, 助教 (00614257)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | トランスグルタミナーゼ / 細胞外小胞 / エクソソーム / N-ミリストイル化 / S-パルミトイル化 |
Outline of Annual Research Achievements |
タンパク質の架橋反応を触媒するトランスグルタミナーゼ (TG) は、皮膚形成や血液凝固、細胞内シグナル伝達など細胞内外の生体防御や恒常性維持において必須の酵素である。哺乳類には8種類のTG遺伝子がゲノム中に存在しており、それぞれが異なる局在と役割を果たしている。一方で、キイロショウジョウバエでは1種類の遺伝子のみで細胞内外で複数の生理機能を果たしている。しかしながら、分泌に必要なN末端分泌シグナル配列はハエTGには存在しておらず、分泌機構は不明であった。 本申請研究では、TGは選択的RNAスプライシングにより2種類の産物 (TG-AおよびTG-B)が産生されることに着目し、まずTG-AのN末端部分には、2種類の脂質修飾(N-ミリストイル化およびS-パルミトイル化)を受けることを明らかとした。また、TG-Aは両脂質修飾依存的に後期エンドソームと呼ばれる細胞内オルガネラへと輸送されること、加えて、細菌感染など外来の刺激に応じ、カルシウムシグナリングにより細胞外小胞であるエクソソームに内包された状態で分泌されることが判明した。さらに分泌されたTG-Aは、生体防御や細胞間コミュニケーションに関わっている可能性が示された。TG-Aのように脂質修飾された細胞内タンパク質がエクソソームを介して分泌されるという報告は皆無であり、既知の分泌シグナルによらない新たなタンパク質分泌についての研究分野発展につながると考える。現在は同様のシステムで分泌されるタンパク質のスクリーニングおよび後期エンドソームへの輸送機構を解析している。
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Research Products
(1 results)