2017 Fiscal Year Research-status Report
Analysis of physiological role of necrotic cell death with newly-developed in vivo imaging system of cell death.
Project/Area Number |
17K15134
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Research Institution | Osaka International Cancer Institute |
Principal Investigator |
今川 佑介 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪国際がんセンター(研究所), 研究所, 主任研究員 (20614770)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 生理的ネクローシス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、独自に開発した細胞死のin vivoイメージング法を用いて、生理的な条件下において誘導されるネクローシス型細胞死を同定し、その役割を明らかにすることを目的としている。そこで今年度は、このイメージング法を用いて胎齢E11.5~E14.5のマウス胎仔において誘導される細胞死(特にネクローシス型細胞死)を網羅的に探索した。その結果、これまでに私が発見し報告しているE14.5マウス胎仔の骨形成領域におけるネクローシス型細胞死以外にも、いくつかの発生時期および部位において、時空間的に制御されたネクローシス型細胞死が誘導されていることを見出した。これらの新たに同定した細胞死について、アポトーシスのマーカータンパク質の免疫染色およびアポトーシスに必須の遺伝子の欠損マウスを用いた解析から、その多くはアポトーシスの機構により誘導されるが、マクロファージなどの食細胞による貪食除去が行われずに、細胞膜が破綻してネクローシス型細胞死に至っているもの(二次的ネクローシス)であることが示唆された。しかし、一部の組織においては、アポトーシスの機構とは独立したネクローシス型細胞死が誘導されている可能性が示唆された。そこで、現在はその細胞死がネクロプトーシスなどの既知の制御されたネクローシス型細胞死であるか、それらの細胞死固有のマーカーの解析やそれらの細胞死に必須の遺伝子の欠損マウスを用いた比較解析を行い、既知の細胞死であるかの確認とその分類を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画の通り、独自のin vivoイメージング法を用いて生理的条件下において誘導される新規のネクローシス型細胞死を同定することに成功ている。さらに、そのネクローシス型細胞死の実行経路について既知の細胞死の実行経路との比較解析を行った結果、新たなネクローシス型細胞死であることを示唆する結果を得ている。このことから、概ね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の研究において見出した生理的条件下において誘導されるネクローシス型細胞死の実行経路の解析を行い、その細胞死を制御する遺伝子の同定を行う。遺伝子の同定が成功した場合には、その細胞死を制御する遺伝子のノックアウトマウスを入手または作製し、細胞死を欠損したマウスの表現型を解析することで、その細胞死の生理的な役割を明らかにする。
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Causes of Carryover |
今年度はデータの収集に重点を置いたため、データ解析用のワークステーションの購入を次年度に延期した。そのため、次年度に繰り越した研究費でデータ解析用のPCを購入する。
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Research Products
(1 results)