2018 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of physiological role of necrotic cell death with newly-developed in vivo imaging system of cell death.
Project/Area Number |
17K15134
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Research Institution | Osaka International Cancer Institute |
Principal Investigator |
今川 佑介 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪国際がんセンター(研究所), その他部局等, 主任研究員 (20614770)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 生理的ネクローシス / プログラム細胞死 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、生理的な条件下におけるネクローシス型細胞死の存在を明らかにし、その役割を明らかにすることを目的に、独自に開発した細胞死のin vivoイメージング法を用いてマウス胚発生期において誘導されるネクローシス型細胞死の同定とその分子機構の解明および役割について解析を行った。この解析において昨年度までに、いくつかの発生時期および部位において、時空間的に制御されたネクローシス型細胞死が誘導されていることを見出した。これらの新たに同定した細胞死について、アポトーシスのマーカータンパク質による解析やアポトーシスに必須の遺伝子の欠損マウスを用いた解析を行った結果、その多くがアポトーシスの機構により実行された細胞死(二次的ネクローシス)であることが示唆された。しかし一部の組織においては、アポトーシスの機構とは独立したネクローシス型の細胞死である可能性が示唆された。これらのネクローシス型細胞死が誘導された領域の多くは、研究代表が以前に同定し報告している骨形成領域で観察されたが、それ以外の領域においても一部で観察された。そこで、それらの細胞死の役割を知るための手がかりとして、それらの制御機構の解析を行った。しかし、ネクロプトーシスやオートファジー依存的細胞死など既知の細胞死との一致は見られなかった。このことは、未知の制御されたネクローシス型細胞死機構が生理的条件下において誘導されていることを示唆するが、近年in vitroの解析において新しい制御されたネクローシス型細胞死の機構が同定されている。今後、それらの新たに同定されたネクローシス型細胞死機構のマーカーとなる因子を同定し、これらの細胞死についても同様に解析し、これらの細胞死の実行メカニズムとその役割を明らかにする必要がある。
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