2018 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of HAN function during root vascular patterning in Arabidopsis.
Project/Area Number |
17K15138
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
宮島 俊介 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 助教 (20727169)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 維管束組織 / 細胞間相互作用 / 発生 / シロイヌナズナ |
Outline of Annual Research Achievements |
維管束植物は、根や茎などの深部に物質輸送のルートとなる維管束組織を構築する。この維管束組織には、水やミネラルを輸送する木部と光合成産物を輸送する師部が分化する。これら2つの通導組織は、維管束組織内にパターンをもって形成される。シロイヌナズナの根においては、根端分裂組織内において細胞分裂と細胞分化が同時進行する事で、二原型の組織対称性に沿った維管束パターンを構築する。このダイナミックな発生過程を制御する分子機構を明らかにするために、維管束発生において細胞分裂および組織の対称性を統合的に制御する因子としてGATA型転写因子HANABA-TARANU (HAN)の機能解析を進めた。 まず、HAN転写因子の下流因子の探索では、維管束での細胞増殖を制御する鍵因子であるDOF型転写因子PEAR1を同定した。PEAR1は予定師部細胞で転写され、その細胞非自律的な機能を通じて、予定師部細胞付近で、細胞増殖を促進する。HAN機能欠損体では、このPEAR1の転写ドメインが拡張しており、結果的に、HAN機能欠損体では、維管束組織の細胞増殖パターンに異常が生じていることが明らかになった。 また、HAN機能欠損体では、通常まっすぐ構築される木部軸の直線性が低下する。この点を理解するために、維管束組織内に存在する力学的要素に着目した。パルスレーザーを用いた細胞破壊実験から、木部細胞列には、両側の細胞群から圧縮応力が働いており、この圧縮力が、木部細胞列の直線性に機能することを見出した。また、数理モデルを用いた解析から、この圧縮応力の発生には、師部付近での集中的な細胞増殖が機能する事を見出した。 これら研究成果から、維管束パターニングにおいて、HANが細胞増殖の局所性を制御する事で、圧縮応力を組織内に発生させることで、組織パターン構築に寄与することを見出した。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Mobile PEAR transcription factors integrate positional cues to prime cambial growth2019
Author(s)
Miyashima S, Roszak P, Sevilem I, Toyokura K, Blob B, Heo JO, Mellor N, Help-Rinta-Rahko H, Otero S, Smet W, Boekschoten M, Hooiveld G, Hashimoto K, Smetana O, Siligato R, Wallner ES, Mahonen AP, Kondo Y, Melnyk CW, Greb T, Nakajima K, Sozzani R, Bishopp A, De Rybel B, Helariutta Y
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Journal Title
Nature
Volume: 565
Pages: 490~494
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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