2017 Fiscal Year Research-status Report
Molecular mechanism of orientation-dependent enhancer
Project/Area Number |
17K15162
|
Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
毛利 亘輔 国立遺伝学研究所, 系統生物研究センター, 特別研究員(PD) (60719491)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | エンハンサー / 方向依存性 / Shh / 遺伝子発現制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
29年度はHm 変異体の挿入配列150kbが示す方向依存的活性について、その方向依存性を生み出す責任配列を絞り込むことに取り組んだ。当初の計画に従い、ゲノム編集を用いた欠失系統の作製によって、Hmエンハンサーの方向依存性に関わるゲノム領域を絞り込んだ。その結果、150kb内の複数の領域がエンハンサーの活性と方向依存性に関わっていた。活性については少なくとも3つのエンハンサーが協調的に発現を制御していることが明らかになった。 これらの領域のうちen2と名付けた領域については、大腸癌由来培養細胞Caco2 cellを用いたレポーターアッセイにおいて方向依存的な活性が確認された。レポーターアッセイにより責任配列を絞り込んだ結果、エンハンサー内の300bp程度の配列がインシュレーター活性を持つことで方向依存性を生み出していた。このインシュレーター配列にはCTCFなど既知のインシュレータータンパク質結合モチーフが含まれていなかった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
29年度の研究の結果、我々が対象としていた150kbのHm挿入配列は複数の発現制御配列が協調的に働くことによって方向依存的なエンハンサー活性を示していた。このような複雑な制御メカニズムの報告例は少なく、特にin vivo での活性を踏まえた報告は稀であり新規性が高い。この結果を論文として投稿し、査読を経て米国アカデミー紀要に掲載された。また、そのうち1つの制御配列については方向依存性を生み出す責任配列を約300bpまで絞り込むことに成功した。これらの結果から、当初の計画以上に進展したと評価する。
|
Strategy for Future Research Activity |
申請者の資格喪失により、本研究は29年度を以って終了とする。そのため、本研究課題による今後の研究の推進は行わない。研究成果については発表論文によって報告された他、未発表の成果についてもできる限り論文発表の形で公表したい。
|
Research Products
(3 results)