2018 Fiscal Year Annual Research Report
Molecular mechanism of orientation-dependent enhancer
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17K15162
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
毛利 亘輔 国立遺伝学研究所, 系統生物研究センター, 特別研究員(PD) (60719491)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | エンハンサー / 方向依存性 / Shh / 転写調節 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は申請者の資格喪失により平成30年6月4日付け補助事業廃止となった。以下に、平成29年度までの研究によって得られた実績について述べる。 本研究課題の解析対象であるHm 変異体の挿入配列150kbはin vivoで方向依存的なエンハンサー活性を示す。この方向依存性を生み出す責任配列を絞り込むため、当初の計画に従いゲノム編集を用いて部分欠失系統を作製した。これら欠失系統の四肢における表現型を解析することで、Hmエンハンサーの方向依存性に関わるゲノム領域を絞り込むことに成功した。結果、150kb内の複数の領域がエンハンサーの活性と方向依存性に関わっていた。また、発現誘導については少なくとも3つのエンハンサーが協調的に働いて制御していることを明らかにした。 上記の3領域のうちen2と名付けた領域について、培養細胞を用いたレポーターアッセイを行った結果、Caco2細胞において方向依存的な活性が確認された。レポーターアッセイにより責任配列を絞り込んだ結果、e2内の300bp程度の特異的な配列がインシュレーター活性を持ち、それによってe2全体の方向依存的活性を生み出していた。このインシュレーター配列にはCTCFなど既知のインシュレータータンパク質が結合するモチーフは含まれていなかった。1kb程度の配列における方向依存的活性とクロマチンレベルにおける方向依存的活性のメカニズムがどのように繋がっていくのかは今後の新たな課題である。
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