2021 Fiscal Year Research-status Report
幾何学的形態測定法による昆虫口器の多様化機構の解明:オサムシ科幼虫をモデル系に
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17K15171
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
笹川 幸治 千葉大学, 教育学部, 准教授 (30647962)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 比較形態 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和3年度についても、新型コロナウイルスによる野外調査の制限が厳しかった。そのため、令和2年度と同様に、身近に採集可能な種を主たる対象として、口器形態に関連する器官の一つである消化管(alimentary canal)の比較形態を中心に行なった。その際、昨年度とは異なった、以下の新たな3つの観点も取り入れた。 1.新たな食性タイプの追加:オサムシ科を含む地表性甲虫類では、肉食の中にも様々な食性タイプがみられる(昆虫幼虫食、ミミズ食、カタツムリ食など)。今年度は、昨年度に対象としなかった新たな食性タイプについても実験を行なった。 2.消化管構造の成虫-幼虫間の比較:オサムシ科を含む地表性甲虫類では、同種であっても成虫と幼虫の間で食性タイプや食性幅がしばしば異なることが知られている。よって、成虫-幼虫間での食性と消化管構造の比較によって、消化管の機能形態に関する新たな知見が得られることが期待される。そこで、昨年度と同様の手法を用いて、外形および組織構造の観察を同種内の成虫・幼虫で比較した。 3.消化管構造の縦断面の観察:昨年度まで行ってきた「外形による観察」「組織切片による観察」のみでは、消化管構造の部位(前腸、中腸、後腸など)の境界が明瞭に確定できないという問題が生じていた。そこで、部位の境界部をまたぐような縦断面(正中線を含む形の切断面)に沿った切片標本も作製し、形態観察を行なった。 上記1~3で得られた形態データのとりまとめを現在行っている。 以上とは別に、これまで幼虫形態が調べられたことのないオサムシ科についての飼育も実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルスによる野外調査の制限の影響により、実施できない研究内容があった。
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Strategy for Future Research Activity |
野外調査の制限などが緩和されつつあるので、機会をみて未実施の実験を行なっていく。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスによる活動制限により、当初予定していた研究計画通りに進まなかった。令和4年度は活動制限が緩和されそうであるので、予定を取り戻すように作業を進める。また、結果のとりまとめも行なう。
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Research Products
(6 results)