2018 Fiscal Year Research-status Report
菌食性昆虫捕食寄生蜂の多様性と寄生蜂-寄主-キノコ相互作用系の解明
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17K15185
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Research Institution | Kanagawa Prefectural Museum of Natural History |
Principal Investigator |
渡辺 恭平 神奈川県立生命の星・地球博物館, 企画情報部, 学芸員 (70710474)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 分類学 / 生物多様性 / 日本 / アジア / 旧北区 / 天敵 / ヒメバチ / 寄生蜂 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度は菌食性昆虫に寄生するヒメバチの分類学的研究として、以下の分類群を検討した。Leptocampoplex(チビアメバチ亜科), Terminator, Aniseres, Catastenus, Fugatorix, Orthocentrus(ハエヒメバチ亜科)。これらのうち、前2者については論文として報告を行い、その他の属についても、関連論文を投稿中である。日本産のLeptocampoplexはドイツで標本調査をした際に得たデータと比較し、L. cremastoides (Holmgren, 1860)に同定され、日本新産として報告した。日本産のTerminatorについては、極東ロシアから2個体が知られるのみであったTerminator notabilis Humala, 2007に同定され、世界的にも極めて珍しいヒメバチの日本からの発見となった。AniseresとFugatrixについては日本産の種が既知種であったため、日本新産として報告予定である。Catastenusは1新種を認め、記載論文を投稿中である。Orthocentrusについてはシイタケの害虫ナガマドキノコバエに寄生する種の検討を行い、学会発表を経て論文を執筆中である。 7月に国際ハチ目会議が日本で行われ、日本産のハエヒメバチの多様性についてポスター発表を行い、海外の研究者とも交流を深めた。 野外調査、標本調査では数百個体を越える新規サンプルの入手や、タイプ標本の観察等で、本研究課題の骨格となる分類学的検討のさらなる充実への寄与が期待できる。 このほか、調査に付随して得られた標本資料等に基づき、若干の知見を論文あるいは報文として報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予想された新知見を上回る量の知見が得られており、自身の研究環境、エフォートを考慮しても適切なペースで研究を実施でき、見込んだ分量の成果はアウトプットできていると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も得られた知見をなるべく多く、論文の形でまとめ上げ、世の中に出してゆきたい。
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Causes of Carryover |
今年度は消耗品のほか、アルバイトの雇用等、資料の整理に関連した事項へ重点的な予算の使用を考えている。
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Research Products
(14 results)