2019 Fiscal Year Research-status Report
菌食性昆虫捕食寄生蜂の多様性と寄生蜂-寄主-キノコ相互作用系の解明
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17K15185
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Research Institution | Kanagawa Prefectural Museum of Natural History |
Principal Investigator |
渡辺 恭平 神奈川県立生命の星・地球博物館, 学芸部, 学芸員 (70710474)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 分類学 / 生物多様性 / 生態系 / 寄生蜂 / 日本 / アジア / IPM |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、下記について実施した。①菌床シイタケ栽培施設におけるナガマドキノコバエ類天敵寄生蜂の解明について森林総合研究所の研究者と共同研究を進め、寄生蜂の分布と分類学的位置について明らかにし、報告を行った。前者については論文として公表したほか、日本きのこ学会でも発表し、優秀ポスター賞を受賞した。後者については論文として投稿し、受理判定を得て現在印刷中である。②日本本土部から記録がなかったPlectiscidea (Fugatrix) collaris (Gravenhorst, 1829)を新たに記録した。③新種Catastenus japonicus Watanabe, 2019を本州産の標本を元に記載した。本種は世界から4種目となる種であり、今のところ日本固有である。④Aniseres subarcticus Humala, 2007を日本から新たに記録した。属レベルでも初めての発見である。⑤日本産のGnathochoris属を検討し、従来日本としか分布が書かれていなかった2種を再発見したほか、3日本新産種と1新種を発見、記載した。この成果は論文として投稿し、受理判定を得て現在印刷中である。⑥参照標本コレクションの重要性について、日本昆虫学会で講演した。⑦上記のほか、調査に付随して得られたヒメバチについて若干の論文を発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた水準での研究が行えており、成果も順調に公表できているため。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルスにより野外調査に制限がかかっているため、新鮮なサンプルや野外での観察は制限されるものの、今までに実施した調査により、標本は潤沢に蓄積されていることから、分類学的研究を中心に、ペースを落とさずに実施する予定である。
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Causes of Carryover |
残額が少額なため、次年度に繰り越した。消耗品などの購入に使用する。
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Research Products
(17 results)