2021 Fiscal Year Annual Research Report
Trait-based approach to understand forest community throughout life history
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17K15201
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Research Institution | Forest Research and Management Organization |
Principal Investigator |
飯田 佳子 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (40773479)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 機能形質 / 窒素含有量 / 稚樹センサス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、樹木群集の形成プロセス・多様性維持機構の解明に向けて、「群集形成プロセスにおいて、生活史を通して一貫して重要な機能形質は存在するのか、また、どの生育段階で、どの空間スケールで、どの資源利用の機能を担う形質に、環境作用と生物的作用が生じ、群集構造が形成されるかを調べ、形質に基づく群集構造の形成パターンを検証する」ことである。本研究は、台風による調査の遅延やヘリウムの供給困難による化学分析と解析の遅延のため、当初よりも2年延長した。また、コロナ感染拡大によって、野外調査も困難な状況があった。以上のような状況にも関わらず、予定していた野外調査によるサンプリング、化学分析を終わらせ、データをまとめることができた。また、目標のモデルの基盤となる解析ができ、形質や競争の効果が検出された。今後、改良を進めることで、形質の相対的な重要性を検証する。 最終年度は、これまで測定した毎木センサスデータ及び本研究でサンプリングし、測定と分析を行った形質のデータを整理し、環境の作用と生物的作用における形質の相対的重要性を推定するためのモデルの作成を行なった。まず、同データから成長と生存に対し、生育段階の異なる個体から取得した形質や競争が持つ効果をGLMMを用いて定量化した。結果、成長と生存では、形質と競争の効果が異なること、また、競争の効果は生存において負の効果を持つことがわかった。今回整理したデータをもとに成長と生存の解析が可能であり、形質の効果や競争の効果が確認されたため、今後、空間自己相関や形質値を考慮した競争の効果などを加え、モデルを発展させ、環境作用と生物的作用における形質の相対的重要性を明らかにする。
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Research Products
(1 results)