2018 Fiscal Year Research-status Report
日本人の集団維持戦略と向社会的行動に関連する遺伝子多型の関係の解明
Project/Area Number |
17K15205
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
江頭 優佳 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所 知的・発達障害研究部, 流動研究員 (10793200)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 実験心理学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的はヒトの向社会性に関連すると言われている遺伝子多型と、主観的な性格特性、向社会性を求められる場面での選択行動等の生理心理実験の結果の関連を調べることで、社会性に関連する遺伝子多型の違いと向社会的行動との関連を明らかにすることである。着目する遺伝子多型は予期不安等との関連が報告されている5-HTTLPRと、共感性との関連が報告されているrs53576である。性格特性は共感性や協調性等を測定できる複数の自記式の性格特性質問紙への回答にて測定する。生理心理実験では、弱者を優遇するか否かの判断課題を実施し、優遇した回数及びその際の脳活動を計測する。 2018年度は、2017年度までにDNA情報を得た研究協力者に対して神経生理学的手法で向社会性を計測するため、多チャンネル脳波計を用いた脳波計測を行う予定であった。しかしながら2018年度は研究代表者の研究機関移動に伴い、2017年度までにDNA情報を収集していた研究協力者に対する脳波計測が困難となった。更に、実験に使用するシステム(脳波計、刺激提示装置等)や遺伝子解析の環境にも変更が生じたため調整に時間を要し、実験方法を含めた研究方法の大幅な見直しが必要となった。 このため、2018年度はこれまでの性格特性データと遺伝子多型の関係についてのデータの見直しを行うと共に、現在の所属機関において協力可能な研究協力者のリクルート及び実験方法の再構築を行った。現在所属研究機関への倫理申請提出の準備中であり、2019年度は所属研究機関での脳波計測を実施する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2018年度は研究代表者の研究機関移動に伴い実験参加者の確保及び研究に必要な機材等の調整に時間を要したため。
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Strategy for Future Research Activity |
現在所属研究機関への倫理申請提出の準備中であり、2019年度は所属研究機関での脳波計測を実施する予定である。 研究協力者のリクルート、脳波計測、性格特性質問紙の取得は研究代表者が行い、遺伝子解析については専門家への相談、外部への委託を含めた迅速な解析方法を検討している。
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Causes of Carryover |
研究機関移動に伴い研究計画の調整に時間を有し、本来使用する予定であった研究協力者謝金や人件費、解析に要する薬剤等への支出が生じなかったため。 次年度は研究協力者謝金、実験協力者への謝金等の人件費、解析に要する薬剤等の物品費、学会発表に要する旅費や論文投稿に際しての英文校正、投稿費などの支出が生じる予定である。
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