2019 Fiscal Year Research-status Report
解剖学的手法を用いたダイコンの多様な根形を生み出す遺伝的なメカニズムの解明
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17K15221
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
吉田 康子 神戸大学, 農学研究科, 助教 (50582657)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ダイコン / 肥大成長 / 組織学的観察 / 木部柔細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
ダイコンの多様な根形は、肥大成長の「程度」と「有無」、またそれらの「場所」が異なることによって生み出されていると考えられる。これまでに、組織学的観察によって、肥大成長の「有無」には形成層が不可欠であること、また肥大程度の大きい箇所には二次形成層が存在することが示された。さらに、木部柔細胞の数と大きさが、肥大成長の「程度」の指標である横断面の直径に強い影響を与えていることが示され、同程度の横断面の直径でも、品種によって木部柔細胞の数が多い品種と一個あたりの木部柔細胞が大きい品種があることも明らかになった。 そこで、本年度は肥大成長の「程度」に関わる発現遺伝子を特定し、それらを経時的に把握するために、同程度の横断面の直径をもつ2品種(木部柔細胞の数が多い品種と一個あたりが大きい品種)およびこれまでの供試験品種の中でも木部柔細胞の数が多い1品種と一個あたりの木部柔細胞が大きい1品種、計4品種を栽培し、肥大成長が始まっていない時期(播種後2週間)から収穫適期まで1週間ごとに写真撮影と形態学的調査、サンプリング採取を行った。サンプリングは、RNA-seq解析用のサンプル採取と組織観察用のサンプル採取の2種類とし、最大幅と胚軸と根の境界部の2箇所からサンプリングを行った。 また、これまでにダイコンの根形の多様性評価を行ってきた品種の中から多様な根形を網羅するように60品種を選抜し、葉からDNAを抽出後、RAD-seq解析を外部委託し、現在解析を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験(主にRNA-seq解析を行うためRNA抽出)や予定していたダイコンの栽培が、新型コロナの影響で思うように進んでいないため。
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Strategy for Future Research Activity |
RNA-seq解析を外部委託するための準備(RNA抽出など)を行う。 RAD-seq解析を行う。
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Causes of Carryover |
今年度に外部委託を行う予定であったRNA-seq解析の実験が新型コロナの影響により、予定していた実験を終えることができなかったため、解析費分が使用できなかったため。
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