2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K15222
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
竹村 圭弘 鳥取大学, 農学部, 講師 (70731545)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 果樹 |
Outline of Annual Research Achievements |
少低温要求性ニホンナシ品種の早期選抜方法の検討を目的として、F2系統群を用いてのRAD-seq解析を行った。 2013年度、2014年度および2015年度の3年分の発育指数の平均値は、横山が4.3、TH3が1.5、F1系統No.72は3.4となった。また、F2系統群の平均値をもとにヒストグラムを作成した結果、F1系統No.72と同程度の発育指数3~3.5の値を示す個体が最も多く確認された。また、F2系統群の多くは横山とTH3の間に広く分布しており、低温要求量の多少の決定にはQTLが関与していると示唆された。さらに、F2系統群の中には、横山と同程度の値を示す個体もみられ、これらの系統群は少低温要求性に関与する遺伝子を保有していると推測された。 全F2系統群を用いてのRAD-seq解析を行った結果、55,946個の変異が検出されたが、発育指数の高低と高い相関を示す変異箇所の確認には至らなかった。そこで、3ヵ年の発育指数が3.3以上であった個体を少低温要求性系統(No.19、29、32、39、44)、発育指数が3.3未満であった個体を多低温要求性系統(No.10、22、24、25、26)として選抜し、LOD値の高い変異箇所の再検索を行った。その結果、LOD値が6.0以上を示す変異箇所が209検出された。その中には、春化や開花の制御に関与するprotein EARLY FLOWERING 3-likeが確認された。また、休眠打破時の過酸化水素の分解と関連が深いperoxidase 17-likeも確認された。また、いくつかの転写調節に関わる遺伝子も確認されており、これらの変異箇所の解析により、少低温要求性品種を選抜するためのマーカーの開発が可能になると推察された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画の通り、初年度にRAD-seq解析を行うことができ、LOD値の高い変異箇所の再検索を行うことができた。また、いくつかの転写調節に関わる遺伝子も確認されており、これらの変異箇所の解析により、少低温要求性品種を選抜するためのマーカーの開発が可能になると推察されたため。
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Strategy for Future Research Activity |
RAD-seqにより検出された変異箇所について詳しく解析を行う必要があるため、F1個体の両親個体のゲノム解析を行い、変異箇所の再確認が必要となる。
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Causes of Carryover |
RAD-seqにより検出された変異箇所について詳しく解析を行う必要があるため、F1個体の両親個体のゲノム解析を行い、変異箇所の再確認が必要となる。
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