2017 Fiscal Year Research-status Report
トウガラシ属の種間雑種植物に認められる受精後交雑障壁の解明
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17K15224
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| Research Institution | Osaka Prefecture University |
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Principal Investigator |
手塚 孝弘 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 講師 (20508808)
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| Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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| Keywords | トウガラシ / 種間交雑 / 生殖隔離 / 系統解析 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
トウガラシ属植物の種間交雑では生殖隔離が認められる。生殖隔離は遠縁交雑育種を行う際の大きな障害であり、これを克服することが求められている。本研究では、トウガラシ属で認められる生殖隔離現象のメカニズムを解明し、新しい生殖隔離モデルを提案することを目指している。
本年度は、トウガラシにおける生殖隔離を解析するための基盤整備を中心に行った。解析に使用するための植物材料を交配によって作出し、どのような表現型異常が生じているかを明らかにした。また、組織学的な観察により、生育異常個体では正常個体には認められない特徴的な症状が存在することを示した。これらの結果をもとに、今後は関連する遺伝子の解析、生理学的な解析を実施する予定である。一方で、当初計画していた手法では植物体を得ることが難しく、遺伝解析のための交雑集団の育成が困難であった。現在は、同時に実施していた別の方法により交雑集団を育成中であり、30年度に遺伝解析を行う体制を整えている。また現在、多数の系統を用いて交配を行っているところであり、生殖隔離に関与する遺伝子がトウガラシ属植物においてどのように分布しているのかを調査している。
SSRマーカーおよびITS配列を用いてトウガラシ系統の系統解析を行い、類縁関係を明らかにした。系統樹上では概ね種ごとにクレードを形成していた。今後はさらに系統数を増やして解析することで、詳細な系統関係を明らかにする必要がある。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
遺伝解析を行うための交雑集団の作成に遅れが生じている。当初計画していた手法を実施したが交雑集団の作成が困難であったため、現在は別の方法で交雑集団の作成を進めているところである。30年度には遺伝解析を実施できる見込みとなっている。また、多数行った交雑の中から本研究でモデルとして扱う生育異常個体を決定するのに時間を要したことから、本年度に計画していたメカニズム解明のための諸解析を実施できなかった。これらについては、30年度に実施する予定である。その他に実施した交配実験、表現型解析、系統解析については順調に進んでいる。
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| Strategy for Future Research Activity |
現在作成中の交雑集団を用い、生殖隔離の遺伝解析を行う。また、関連する遺伝子の解析、生理学的な解析を行い、メカニズムの解明を目指す。トウガラシの系統解析および生殖隔離遺伝子の分布状況についても調査する系統数をさらに増やしていき、生殖隔離の解明に適用できるように整備する予定である。
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