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2017 Fiscal Year Research-status Report

Development of bioprocess for producing various chiral compounds using organic solvent-tolerant microorganism Kocuria rhizophila DC2201

Research Project

Project/Area Number 17K15248
Research InstitutionToyama Prefectural University

Principal Investigator

戸田 弘  富山県立大学, 工学部, 助教 (60608321)

Project Period (FY) 2017-04-01 – 2019-03-31
Keywords有機溶媒耐性微生物 / 物質生産 / キラル化合物 / ゲノム編集 / シャトルベクター
Outline of Annual Research Achievements

有機溶媒耐性菌Kocuria rhizophila DC2201 で使用可能なゲノムDNA配列改変ツールの開発を目的とし、これまでに構築した大腸菌-KocuriaシャトルベクターpKITE101およびpKITE303の和合性および安定性を利用したサポートベクターシステムの構築を試みた。両プラスミドはKocuria 菌体内で共存可能であり、またその複製保持安定性には大きな差が見られる。これまでの研究経緯から、pKITE101では複製タンパク質RepABが複製開始点(oriV)に対しトランスに作用することにより複製されることが明らかとなっている。そこでpKITE303上にRepAB遺伝子を挿入したpKITE303-RepABをサポートベクターとし、RepAを欠失したpKITE101⊿RepAと同時に形質転換させたところ両プラスミドがKocuria菌体内で安定的に保持されることが明らかとなった。
また、自殺遺伝子である変異型pheS遺伝子(4-クロロフェニルアラニン(4CP)感受性)およびsacB遺伝子をそれぞれ組み込んだpKITE101⊿RepASacBおよびpKITE303RepAB-PheSmtを構築し、各プラスミドを任意に脱落可能とした。これにより、サポートベクターであるpKITE303RepAB-PheSmtを脱落させた場合、pKITE101⊿RepASacBも同時に脱落することを確認した。この際、KocuriaゲノムDNA配列の一部を組み込むことによりpKITE101⊿RepASacBがゲノム中へ挿入されること、自殺遺伝子SacBによりゲノムに挿入した配列を除去可能であることを確認した。本システムにより代謝遺伝子の破壊および外来遺伝子挿入を検討し、解糖系遺伝子(gpi、pyk)破壊株を構築した。これらの株では生育速度および糖代謝速度が大きく変化することが確認された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

H29年度中において、K. rhizophila DC2201 ゲノムDNA改変ツールの構築は完了し、一部代謝系遺伝子の破壊及び挿入について実証されている。またその結果、解糖系の一部遺伝子の破壊による菌体生育速度の変化や菌体内酸化還元バランスの変化が起きることも確認された。これらのデータはスチレン酸化酵素(RhSMO)を用いた有用物質生産において有用な知見であると考えられ、今後さらに物質生産に適応した改変株の作成に利用する予定である。
一方、各種培養条件下における遺伝子転写量解析については、若干遅滞している。その原因として、K. rhizophila DC2201 菌体の固さに起因するmRNAの調製の困難さが考えられる。K. rhizophila DC2201菌体は非常に固い細胞壁構造を有することから、通常のRNA抽出試薬を使用した手法では次世代シーケンス解析に供するに足る品質のRNAの調製が困難であった。現在、ジルコニアビーズ等を用いたRNA抽出キットを用いての調製を検討しており、これにより問題が解決され次第、網羅的な遺伝子転写量解析を進める予定である。

Strategy for Future Research Activity

Kocuria 菌体より高品質のmRNA調製法を確立し、網羅的転写量解析を行う。炭素源及び有機溶媒曝露条件下における遺伝子発現量の変化から、物質生産に大きく寄与すると思われる遺伝子の推定およびそれら遺伝子の破壊、過剰発現株を作成する。作成した改変株を宿主としたキラルエポキシド生産試験を行い、その生産性の変化を検討する。これらの結果をフィードバックし、多重遺伝子破壊や発現強化を施した改変宿主の育種を進める予定である。

Causes of Carryover

実験の進捗状況の遅れにより、外部委託に委託予定していた遺伝子転写量解析が未発注の為。H30年度において、発現解析の外部委託により消化する予定である。H30年度分の請求額は当初の予定通り、消耗品および培養装置などの備品として使用予定。

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Published: 2021-01-27  

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