2019 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of the effect of slightly absorbable polyphenol on gut-brain axis modulation from the view point of chrononutrition.
Project/Area Number |
17K15269
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
山下 陽子 神戸大学, 農学研究科, 准教授 (10543796)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ポリフェノール / インクレチン / 体内時計 / 腸脳相関 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、生活習慣病患者が急増しており、エネルギー代謝促進に寄与する食品成分の探索およびその作用機構の解明が求められている。これまでに、プロシアニジンなどの重合体ポリフェノール類が、糖代謝や脂質代謝の促進効果を有することとその作用機構が明らかにされてきたが、そのほとんどが末梢組織での作用機序解明に留まっている。プロシアニジンは、アップルやカカオ、シナモンなどの身近な食品にも多く含まれているものの、重合ポリフェノールであることから分子量が高く、食品として摂取した場合、消化管から血中に吸収される量はごくわずかに過ぎない。したがって、これまでに報告されてきたプロシアニジンの抗糖尿病や抗肥満効果に関しても、消化管からのシグナルが神経系を介して脳に伝えられ、全身のエネルギー代謝調節に関わっている(腸脳相関)可能性が強く推測される。また、食品成分の機能発揮には、生体に日内変動のリズムを生み出し、エネルギー代謝を調節する時間遺伝子の制御も密接に関わる。しかしながら、摂取するタイミング(体内時計)と食品成分の機能性の関与については検討されていなかった。本研究では、重合体ポリフェノールのプロシアニジンが腸脳相関ネットワークを介して、時計遺伝子に及ぼす影響を検討した。また、これまで明らかにされてきたプロシアニジンの高血糖やエネルギー代謝向上効果に関しても、体内時計(時計遺伝子のリズム)を考慮して最も効果的なタイミングを見出すことを目的とした。その結果、プロシアニジンはGLP-1がキー分子となり、腸脳相関や全身のエネルギー代謝促進に寄与することともに、時計遺伝子の発現にも関与することを明らかにした。さらに、GLPー1を介して、血管機能の向上にも寄与していることがわかった。
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Research Products
(16 results)