2020 Fiscal Year Annual Research Report
Occurrence of bound D-amino acids in food proteins, and analysis of the factors promoting isomerization of bound amino acids
Project/Area Number |
17K15279
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
大森 勇門 大阪工業大学, 工学部, 准教授 (90570838)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 結合態D-アミノ酸 / タンパク質・ペプチド / マイクロ波 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和元年度までにAspジペプチドをモデルペプチドとして使用し、アルカリ性条件下においては加熱(100, 121℃)や電子レンジ処理(マイクロウェーブ)することによりペプチド状態での異性化が進行しやすいことを見出していた.令和2年度はマイクロウェーブの影響についてさらに検討を行った.アルカリ条件でのマイクロウェーブ照射において、異性化が進行するにはサンプルの温度が50℃以上(700 Wにて60 sec以上)になる必要があることが明らかになった.一方で酸性条件では同じ条件で処理しても異性化は起こらなかった.またNaOHよりもKOHを使用した場合の方が異性化の進行が起こりやすいことも明らかになった.次にヒートブロックインキュベーターを用いて、60 secでサンプルの温度が50℃になるような条件にてAspジペプチドを処理したところ、マイクロウェーブ照射時とは異なり異性化は一切認められなかった.これまでの結果とあわせて、異性化を起こすためには熱のみでは100℃以上で処理する必要があることが分かり、一方でマイクロウェーブ処理では50℃かつ60 secという低温、短時間でも異性化が進行することが示された.電子レンジにおいて照射される波長12 cmのマイクロウェーブが、ペプチドのアミノ酸残基における異性化(水素イオンの引き抜き)に大きく関与していることが示唆された.続いて異なる波長としてUV(254, 302, 365 nm)を照射しながらサンプルを加熱してみたが、電子レンジで見られたような異性化は一切起こらなかった. 結合態D-Val含有ペプチドの解析については、様々なサンプルを協力企業から提供を受け解析を進めたが、どのサンプルについても同程度の含有量(20%程度)であり、結合態D-Valを増加させる要因を明らかにすることはできなかった.
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