2018 Fiscal Year Research-status Report
Investigations of hydrological properties of forest soil and weathered bedrock layers by using improved evaporation method
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17K15283
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| Research Institution | Kyoto University |
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Principal Investigator |
正岡 直也 京都大学, 農学研究科, 特定助教 (90786568)
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| Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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| Keywords | 森林土壌 / 風化基岩 / 不飽和水文特性 / 間隙連結特性 / 蒸発法 / ワンステップ流出法 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
昨年度の研究で風化花崗岩のボーリングコアに加工を施すことで改良型蒸発法を適用し、不飽和水文特性を計測することに成功した。しかし蒸発法に共通する問題点として、供試体内に発生する水流フラックスが非常に小さいため湿潤領域の高い透水係数が計測できず、また実験に要する時間が２～７日と長いため多数の供試体計測に手間がかかっていた。当該年度に実施した研究では、上記の問題点を解決するために湿潤領域をワンステップ流出法で、乾燥領域を蒸発法でそれぞれ計測する組み合わせ手法を開発した。水分特性曲線ならびに不飽和透水曲線は、二手法の切り替え点（圧力-60 cm付近）においてデータの連続性を保ちながら良好に計測され、そのうえで実験に要する日数を約二分の一に短縮することができた。野外で採取した供試体に対してこの新手法を用いた計測を進めており、良好なデータが蓄積されてきている。
森林土壌の水分特性だけでなく不飽和透水係数を多点で計測する事例は労力と時間の問題からまれであるが、両者を計測することで水を保持する土壌間隙の連結特性（間隙径分布・屈曲度等）を算出することができる。本研究では改良型蒸発法ならびに新たな組み合わせ手法により多点計測を迅速に行うことが可能となり、土壌間隙連結特性の空間分布を把握することが可能となった。さらにこれまで計測例が極めて少なかった風化基岩に対しても同様の計測を行うことが可能となった点に大きな意義がある。本手法を用いた計測を進めていくことで、森林の水源涵養機能を決める重要なパラメータでありながら不明な点の多かった間隙連結特性の分布メカニズムを、土壌発達と基岩風化過程の両面から理論的に明らかにできる点に大きな重要性がある。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究成果の項目で述べたように改良型蒸発法とワンステップ流出法の組み合わせ手法を開発し実用化したことで、土壌・基岩の不飽和水文特性データを効率的に蓄積できた。今年度行うデータ解析のスムーズな進捗が期待できる。野外観測については後述するように当初の方針を修正したこともあり観測開始には至っていないが、既に作業を進めており今年度中の十分なデータ取得が期待できる。以上から、進捗状況は概ね順調といえる。
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| Strategy for Future Research Activity |
前年度に開発した組み合わせ手法を用いて森林土壌ならびに風化基岩の不飽和水文特性を測定・解析し、間隙連結特性の空間分布メカニズムを明らかにする。野外観測については当初の予定を変更し、ボーリング孔は掘削せず基岩断面の露頭を利用して、横方向からドリルで穴を開けテンシオメータと水分計を挿入して観測する。これにより基岩マトリックス部分と亀裂部分の水分浸透を区別して観測でき、基岩内の不飽和鉛直浸透過程をより実態に即して把握することが可能となる。
以上の知見をもとに森林土壌～風化基岩を連続的に扱った一次元浸透モデルを作成する。計算手法やパラメータの決定方法を最適化したうえで様々な降雨や初期条件を想定したシミュレーションを行い、降雨浸透・貯留機構の定量的評価を行う。
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| Causes of Carryover |
昨年度に計上していたボーリング工事費用（その他）について、野外観測計画を変更し、また実験に用いるボーリングコアも入手できたため、用途を昨年度および次年度の設備備品費・消耗品費・旅費に変更した。また野外観測に用いる予定の観測機器・パソコン（設備備品費）について購入を保留した。いずれも次年度中に使用する予定である。
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