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2017 Fiscal Year Research-status Report

ゼラチン質動物プランクトンを利用した新しい水産餌料の開発に関する研究

Research Project

Project/Area Number 17K15310
Research InstitutionHiroshima University

Principal Investigator

若林 香織  広島大学, 生物圏科学研究科, 助教 (20725147)

Project Period (FY) 2017-04-01 – 2019-03-31
Keywords未利用資源 / クラゲ類 / 十脚類幼生 / 摂餌生態
Outline of Annual Research Achievements

本研究では、クラゲ類などのゼラチン質動物プランクトンが魚介類養殖用飼料原料になり得るかどうかを、天然海域でクラゲ類などを食べて生活しているウチワエビ類幼生をモデルとして評価している。これまでに、クラゲ類を餌としてウチワエビ類の幼生が生残・成長できることは明らかになっていたが、そのほかのゼラチン質動物プランクトンがクラゲ類と同程度の利用可能性を有するかは確かめられていなかった。本年度はクラゲ類と同様に沿岸域で大量に出現することのあるクシクラゲ類に着目し、ウチワエビ類幼生への給餌試験を実施した。幼生は、クシクラゲ類に接触するとすぐに取りつき、摂食を開始した。発育後期の幼生にクシクラゲ類だけを与えて飼育した場合、クラゲ類だけを食べた幼生とほぼ同じ期間で脱皮し、生残率にも差は認められなかった。
クラゲ類を用いる人工餌料と同じ作製方法によってクシクラゲ類を原料に人工餌料を作製した結果、ウチワエビ類の後期幼生がその人工餌料を摂食し、約1時間後には人工餌料由来の糞を排泄することを確認した。また、人工餌料に添加した可視化のための染料は幼生の中腸腺内にも認められた。一般にイセエビ・セミエビ類の幼生は栄養物の貯蓄・分解・吸収を司る中腸腺の開口部にろ過装置を有し、液状もしくは微粒子状の摂取物だけが中腸腺に送られる。このことから、本研究で作製した人工餌料は、正常に中腸腺へ送られて消化され得る可能性が示された。一連の摂餌行動はビデオカメラを用いて記録した。次年度に記録を解析することで摂餌に至るまでの時間や排泄にかかる時間等を明らかにする。一方、生鮮のクラゲ類やクシクラゲ類で観察されるような継続的な摂餌は認められず、幼生が与えられた人工餌料を完食するには至らなかった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

本研究期間内に、人工餌料を摂食した幼生の栄養分析を実施する予定であるが、継続的に幼生が摂餌可能な人工餌料の作製に至っていないため、人工餌料摂食後の幼生試料をまだ得ていない。一方、餌料原料となるゼラチン質動物プランクトンの分析用試料は本年度中に確保した。次年度はこれらの生化学分析を実施する。
幼生の人工餌料に対する摂餌行動はデジタルカメラやデジタルビデオを用いて記録した。ウチワエビ類の産卵期は年度末であり、現在は摂餌行動の記録を終えたところである。次年度の早いうちにビデオ記録を解析する。

Strategy for Future Research Activity

幼生が継続的に摂食できる人工餌料を得るために、当初計画した複数の方法で作製・給餌を試みる。幼生の発育段階を通じての長期飼育が目標であるが、それが難しい場合は異なる発育段階の幼生に人工餌料を与え、それぞれの嗜好性を評価する。
ゼラチン質動物プランクトン試料の生化学分析を実施し、異なる生物間で各種栄養価を比較・評価する。さらに、それぞれのゼラチン質動物プランクトンを摂餌し生残・成長するウチワエビ類幼生の飼育記録と照らし合わせ、幼生の成長に有効と考えらえる要素を検討する。

Causes of Carryover

本年度購入予定であった機器類の設置場所の決定が遅れたために年度内に購入できなかった。次年度の早いうちに設置場所を決定し、当初の予定通り実験機器の購入に充てる。

URL: 

Published: 2018-12-17  

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