2017 Fiscal Year Research-status Report
ホタテガイの生殖細胞は毎年どこからやってくるのか?二枚貝生殖腺の再形成機構の解明
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17K15317
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
長澤 一衛 東北大学, 農学研究科, 助教 (50794236)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 二枚貝 / ホタテガイ / 生殖細胞 / vasa / piwi / nanos / 生殖幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題では、ホタテガイ成貝の生殖巣が性成熟に伴いどのように再形成されるのかを研究した。研究代表者は、生殖細胞マーカーであるvasa mRNAの可視化により、ホタテガイでは繁殖期後にその生殖細胞が生殖巣からほぼ全て排出され、生殖細胞が消失した状態の生殖巣になることを見出した。さらにvasa mRNAがホタテガイ血球でも発現することを確認しており、血球中に生殖細胞としての形質を有する細胞が存在するのではないかという仮説を立てている。しかし次回の繁殖期に向け、生殖巣への生殖細胞の供給が、毎年いつ、どのように起こるのかは未解明のままである。本課題では特に、複数の分子マーカーを用いた生殖巣内における未分化生殖細胞の同定と、血球中に存在していると考えられる生殖細胞の形質を有する細胞集団の同定を試みた。 平成29年度は研究計画のとおり、1.生殖細胞マーカーの遺伝子の分子クローニングと、候補分子に対する特異抗体の作製、2.生殖細胞マーカー分子を利用した生殖細胞の分布様式の解明を遂行した。その結果、研究代表者らが構築したホタテガイのトランスクリプトームデータから複数の生殖細胞マーカー分子(vasa, piwi1,2, nanos1,2,3)を得た。これら分子に対するペプチド抗原および大腸菌タンパク質発現系を用いたリコンビナントを作製し、VasaおよびPiwi1,2タンパク質に対する特異抗体の作製に成功した。これにより精巣および卵巣内における精原細胞・卵原細胞・初期卵母細胞を簡便に可視化・同定するためのツールが整った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度に研究計画調書の予定通り、ホタテガイ未分化生殖細胞における生殖細胞マーカーとして、Vasa、Piwi1,2を同定しその特異抗体の作製に成功した。これによりホタテガイの生殖細胞を免疫学的手法により速やかに同定することが可能となった。また、Nanos1,2,3に対する特異抗体を現在作製中であり、平成30年度内に取得できる見込みである。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度では、3.フローサイトメトリーによる血球の細分化と、生殖細胞マーカーの発現の確認、4.血球の細胞移植による生殖細胞への分化能の検証を実施する。平成29年度に作製したVasa、Piwi1,2に対する特異抗体を併用することで、分子マーカーによる特徴付けと、細胞移植による機能的な解析の2方向から、ホタテガイの生殖細胞と血球の性質と特徴を明確にし、生殖巣の再形成機構を明らかにしていく。
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Causes of Carryover |
平成29年度に予定していた生殖細胞マーカー分子のうちNanos1,2,3に対する解析が完了しなかったため、その抗体作製に必要となる予算約20万円を本年度内に支出することができなかった。Nanos抗体の作製は現在進行中であり、抗原となるリコンビナントが調整でき次第、抗体作製を実施し平成30年度内の支出を計画している。
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Research Products
(3 results)