2018 Fiscal Year Annual Research Report
Biochemical studies of novel aspartate racemase from
Project/Area Number |
17K15320
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
小山 寛喜 広島大学, 生物圏科学研究科, 助教 (20746515)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | D-アスパラギン酸 / アスパラギン酸ラセマーゼ / スルメイカ / 視神経節 |
Outline of Annual Research Achievements |
スルメイカTodarodes pacificus神経系における遊離アスパラギン酸(Asp)含量を確認するため、視神経節におけるL体およびD体のAsp含量を測定した。その結果、組織1gあたりL-Aspは1.83μmol、D-Aspは1.57μmol存在し、全Aspの46.2%がD体であった。 また、スルメイカ視神経節におけるアスパラギン酸ラセマーゼ(AspRase)活性を調べるために、視神経節から粗酵素液を抽出した。その粗酵素液に、基質としてL-Aspおよび補酵素としてピリドキサール-5'-リン酸を加え、37℃で16時間インキュベートしたところ微量のD-Aspが生成した。L-AspからD-Aspへの粗酵素活性は28 nmol/mg・hと低い値であった。 次に、発現クローニングによりスルメイカ視神経節からのAspRase遺伝子の単離を試みた。まず、cDNAライブラリーを作製する必要があるため、視神経節からRNAを抽出した後、二本鎖cDNAの合成を行った。しかしながら、二本鎖cDNAが充分量合成できなかったため、ライブラリーサイズが極端に小さなものとなってしまった。したがって、まずは充分量の二本鎖cDNAを合成するため、数種類のキットを用いたが、どの場合においても良い結果は得られなかった。また、二本鎖cDNAのベクターへのライゲーション効率も悪く、発現クローニングを行うに充分なクローン数を得ることができない一因となった。 今後は、発現クローニングを行うためにも二本鎖cDNAを効率よく合成し、充分なクローン数を得る必要がある。
|