2018 Fiscal Year Annual Research Report
Identification of transporters driving nutrient uptake in marine diatoms
Project/Area Number |
17K15326
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
辻 敬典 関西学院大学, 理工学部, 助教 (40728268)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 海洋性珪藻 / 海洋一次生産 / CO2固定 |
Outline of Annual Research Achievements |
珪藻は海洋一次生産の約半分を担う主要植物プランクトンである。そのため、珪藻による無機栄養塩の吸収と同化は、海洋生態系への有機物供給および物質循環を駆動する原動力といえる。本研究では、栄養塩吸収の駆動力を生み出す珪藻のNa+ポンプの同定を目指した。2017年度は主に阻害剤を用いた生理学的解析を中心に行い、P型ATPaseに属するNa+/K+ポンプ、あるいはそれに類するポンプが細胞内外のNa+勾配の維持に関与していることが推定された。先行研究では、非光合成珪藻Nitzschia albaのNa+/K+ポンプの粗精製がなされ、N. albaのNa+/K+ポンプがバナジン酸により阻害されることが報告されている。2017年度の研究結果は、先行研究で報告されたNa+ポンプの阻害特性とも一致しており、Na+/K+ポンプが珪藻細胞膜におけるNa+排出ポンプとして機能している可能性が高い。一方で、公開されている珪藻ゲノムデータベースにはNa+/K+ポンプと高い類似度を示す遺伝子は見つからず、その分子実体は以前不明のままであった。そこで2018年度は、Na+ポンプの分子実体を同定するために、細胞膜タンパク質のプロテオーム解析を行うことにした。細胞内膜系が複雑に発達した珪藻において高純度の細胞膜画分を調整することは困難であるため、膜不透過性のビオチン標識試薬を用い、細胞外に露出しているタンパク質を網羅的にビオチン標識した。その後アビジン-ビオチン相互作用を利用して特異的に精製することを試みた。精製画分をSDS-PAGEで分析したところ、珪藻が元々保持する内在性のビオチン化タンパク質とは異なるサイズのタンパク質が複数検出された。今後は、これらビオチン標識画分に含まれるタンパク質を網羅的に同定することで、Na+排出ポンプの分子実体に迫る。
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Research Products
(16 results)
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[Journal Article] Cross‐compartment metabolic coupling enables flexible photoprotective mechanisms in the diatom Phaeodactylum tricornutum2019
Author(s)
Jared T. Broddrick, Niu Du, Sarah R. Smith, Yoshinori Tsuji, Denis Jallet, Maxwell A. Ware, Graham Peers, Yusuke Matsuda, Chris L. Dupont, B. Greg Mitchell, Bernhard O. Palsson, Andrew E. Allen
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Journal Title
New Phytologist
Volume: 222
Pages: 1364-1379
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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